ジチテン

職名

読み:しょくめい

意味

職名とは、地方公共団体の職員に対して、その職務や職責に応じて与えられる職の呼称である。給料表の職務の級と結びついた担当層の呼称(主事や主査など)と、組織上の役職を表す補職名(係長や課長、部長など)とに大別される。

民間企業の「課長」「部長」とは異なり、自治体の職員には主事主査主幹といった独特の呼称が用いられ、しかも同じ呼称でも団体によって格付けや職責が一致しない。職名は、こうした職員一人ひとりの組織上の位置づけを表す基礎的な情報であり、人事発令や名刺、文書の発信者名、議会答弁の肩書きなど、職員を識別するあらゆる場面で単位となる。

職名は大きく二つの系統からなる。一つは給料表の職務の級と対応する担当層の呼称で、係員層の主事から、その上位の主任・主査・主幹へと積み上がる。もう一つは組織上のライン職を表す補職名で、係を束ねる係長、課を束ねる課長、部を束ねる部長といった役職がこれにあたる。前者は主に給与上の格付けを、後者は組織を指揮監督する権限の所在を示すため、両者は必ずしも一対一には対応しない。

どの職名をどの級・どのポストに割り当てるかは、地方公務員法に基づく給与条例や、各団体の行政組織規則・職員の職の設置に関する規程で個別に定められる。このため、隣接する自治体どうしでも職名の体系や呼び方が微妙に異なることが珍しくない。

給料表の級に対応する担当層の職名

担当層の職名は、地方公務員法第24条に基づく給料表の「職務の級」と対応して積み上がる。標準的には、採用後の係員が主事を名乗り、一定の経験を経て主任、さらに主査、主幹へと上がっていく。これらは組織を率いるライン職ではなく、与えられた事務を自律的に処理する担当者としての格付けを表すのが基本である。ただし級と職名の対応は団体ごとの給与条例で定められるため、ある団体では主査が係長級の監督職として扱われ、別の団体では係員層の上位にとどまるなど、同じ職名でも位置づけが揺れる。技術系職員では主事に代えて技師、その上位に技師長や技監を置くなど、職種に応じた呼称体系が併存することもある。

組織のライン職を表す補職名

補職名は、組織上の役職に就いていることを示す職名で、係長・課長補佐・課長・部長・局長と上がるにつれて指揮監督する組織の単位が大きくなる。これらは地方自治法第158条に基づき各団体が定める行政組織規則と、職の設置に関する規程によって設けられ、誰をどの補職に充てるかは任命権者の発令(補職)で決まる。係長以上はおおむね監督職・管理職に位置づけられ、時間外勤務手当の取扱いや管理職手当の支給など、給与・服務面でも担当層と異なる扱いを受ける。ライン職とは別に、課長相当・部長相当の専門スタッフ職として参事や主幹を置く団体もあり、これらは特定の政策や調整業務を担う上席の職として補職名に準じて扱われる。

職名が定まる仕組みと団体差

職名の体系は法律で全国一律に決められているわけではなく、給料表の級区分と各団体の組織規則の組み合わせで形づくられる。かつては地方公務員法に職階制(職務の種類と複雑・困難・責任の度で職を分類する仕組み)の規定があったが、ほとんど運用されないまま平成26年の法改正で廃止され、現在は等級別の基準職務表を通じて級と職務の対応が示されている。この結果、職名の数や呼び方、どの職名が役付きにあたるかは団体ごとに異なり、他団体や民間と肩書きを比較する際には、その職名が級の格付けを指すのか、組織上のポストを指すのかを見極める必要がある。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)