少額の物品購入や小さな修繕まで、いちいち競争入札にかけていては、かえって事務の手間と時間が見合わない——少額随意契約は、予定価格が一定額以下の契約について、競争入札によらず随意契約を認める仕組みである。地方自治法施行令第百六十七条の二第一項第一号が根拠で、契約の種類ごとに施行令の別表が上限額の枠を定め、その範囲内で自治体が規則で具体的な基準額を決める。工事、物品の購入、役務など種類によって額が異なる。上限額は長年据え置かれてきたが、近年の物価高騰や事務の効率化を踏まえて引き上げる改正が行われた。少額とはいえ公金の支出であり、相見積りの徴取など、透明性を保つ運用が欠かせない。
施行令が定める少額の枠組み
少額随意契約は、地方自治法施行令第百六十七条の二第一項第一号を根拠とする。同号は、売買・貸借・請負などの契約で、予定価格が別表第五に掲げる契約の種類に応じた額の範囲内で、自治体が規則で定める額を超えないものについて、随意契約によることを認める。工事または製造の請負、財産の買入れ、物件の借入れ、役務などで上限の枠が異なり、自治体は施行令の枠内で自らの規則に基準額を定める。競争入札の手続を省ける反面、適用できるのは規則の額以下の契約に限られ、額を意図的に分割して少額に見せる分割発注は認められない。
透明性をどう確保するか
少額随意契約は手続を簡略にできるが、特定の業者を選んで随意に契約する以上、価格の妥当性と相手選定の公正さをどう担保するかが課題になる。実務では、複数の業者から見積りを取る相見積りの徴取や、選定理由の記録、一定額以上での公表などの運用で透明性を保つ。施行令別表第五の上限額は昭和五十七年以来据え置かれてきたが、物価高騰や事務効率化を踏まえて近年引き上げる改正が行われ、自治体も規則の基準額を見直している。少額だからこそ件数が多く、運用の積み重ねが調達全体の信頼を左右する。
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