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ジチテン

産婦健康診査

読み:さんぷけんこうしんさ

別名:産婦健診
意味

産婦健康診査(産婦健診)とは、出産後間もない時期の母親を対象に、母体の身体的な回復の状況、授乳の状況および精神状態を把握するために行う健康診査で、市町村が費用を助成して実施するものである。

産後うつの発症は産後2週間から1か月ごろに集中するのに、従来の母子保健は妊娠中の妊婦健康診査と子ども側の乳幼児健診に挟まれたこの時期を捉える公費の仕組みを欠いていた。産婦健康診査は、この空白を埋めるため2017年度から国庫補助事業となったもので、産後2週間と産後1か月の2回分を目安に、1回当たり上限5,000円の費用助成が国と市町村で組まれている。健診ではエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)などを用いて精神状態を客観的に把握することが要件とされ、身体の回復や授乳状況の確認とあわせて、母親のメンタルヘルス不調を早期に拾う入口として設計されている。健診自体は産科医療機関や助産所への委託で行われるため、市町村には委託契約と結果の報告体制の整備、支援が必要と判定された産婦を産後ケア事業などへ確実につなぐ後段の体制が問われる。里帰り出産では居住地外の医療機関で受診するため、償還払い自治体間の相互乗り入れ契約といった調整も日常的に発生する。

補助要件と産後ケア事業への接続

産婦健康診査事業の国庫補助には、単に健診費用を助成するだけでは足りない要件が付されている。母体の身体的機能の回復や授乳状況に加えて精神状態の把握をEPDSなどの客観的指標で行うこと、健診結果が実施医療機関から市町村へ速やかに報告されること、そして支援が必要と判断された産婦に対して産後ケア事業を実施できる体制があることである。つまりこの健診は単独の給付ではなく、「把握した不調を支援につなぐ」一連の仕組みの起点として制度化されており、産後ケア事業の整備と一体で進めることが前提になっている。EPDSの点数が高い産婦や育児不安の強い産婦は、保健師の個別フォロー、産後ケア事業(宿泊型・デイサービス型・訪問型)、精神科医療への紹介へ振り分けられる。産後うつは虐待や母親の自殺のリスク要因でもあり、産婦健診の未受診者への連絡・把握も含めて、母子保健と児童福祉をまたぐ予防線として運用される。

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