ジチテン

歳入欠陥

読み:さいにゅうけっかん

意味

歳入欠陥とは、会計年度の決算において、実際の歳入が予算で見込んだ額に達せず、歳出に必要な財源が不足する状態をいう。歳入の見積りの甘さや経済情勢の急変などによって生じ、実質収支の赤字となって現れる。

予算は、見込んだ歳入を裏づけとして歳出を組み立てる。歳入欠陥は、その見込んだ収入が実際には入ってこず、歳出をまかなう財源が足りなくなる状態で、財政運営の破綻に直結しかねない事態である。

税収が景気の後退で大きく落ち込んだ、見込んでいた国庫支出金地方債が確保できなかった、財産の売却が予定どおり進まなかったといった事情で生じる。歳入が歳出に足りなければ、決算実質収支の赤字となる。これを避け、あるいは事後に穴を埋めるために、年度の途中であれば歳出の削減や事業の先送り、財政調整基金の取崩しなどの対応がとられ、それでも不足する場合には、翌年度の収入を繰り上げて充てる繰上充用が行われることもある。歳入欠陥は、過大な歳入見積りや放漫な財政運営への警鐘であり、堅実な収入見込みの重要さを示す。

繰上充用による穴埋めとその意味

歳入欠陥が決算で現れ、実質収支が赤字となった場合の対応の一つが、繰上充用である。これは、翌年度の歳入の一部を繰り上げて当年度に充て、形のうえで赤字を埋める処理を指す。繰上充用を行えば、決算上の赤字はいったん解消されるが、それは翌年度の財源を先食いしているにすぎず、根本的な財政の不足が解決したわけではない。むしろ、繰上充用を行ったという事実そのものが、その団体の財政が単年度で均衡を保てなかったことを示す重い兆候である。繰上充用が繰り返されれば、赤字が雪だるま式に膨らみ、財政の再建が必要な状態に陥りかねない。歳入欠陥への対応は、一時的な穴埋めにとどめず、歳入の確保と歳出の見直しによって構造的な不足を解消することが求められる。

過大な歳入見積りへの戒め

歳入欠陥は、その多くが歳入の見積りの甘さに根を持つ。歳出を多く組みたいという誘因が働くと、税収や財産収入、地方債などの歳入を実態より大きく見積もり、それを財源に歳出を膨らませる傾向が生じうる。しかし、見込んだ歳入が実現しなければ、その差はそのまま財源の不足となって跳ね返る。このため、歳入の見積りは、過去の実績や経済の動向を踏まえて堅実に行うことが、財政運営の鉄則とされる。とりわけ、景気に左右されやすい法人関係の税や、確実性に乏しい財産の売却収入などは、慎重に見込む必要がある。歳入欠陥を出さないことは、健全な財政運営の最も基本的な要請であり、収入の裏づけのある範囲で歳出を組むという財政規律の出発点である。

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