認知症とは、いったん正常に発達した認知機能が、脳の器質的な障害により持続的に低下し、記憶・判断・実行機能などに支障をきたして日常生活・社会生活に支障が生じる状態をいう。アルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型などの原因疾患に分類される。
高齢化の進行に伴い、地域包括ケアと介護保険行政の最重要テーマの一つとなっているのが認知症である。記憶障害や見当識障害といった中核症状に加え、不安・徘徊・興奮・妄想などの行動・心理症状(BPSD)が現れ、後者は本人の苦痛だけでなく介護負担や虐待リスクにも直結するため対応が重視される。2023年制定の認知症基本法は、認知症の人が尊厳を持って暮らせる共生社会の実現を国・自治体の責務として掲げ、自治体は認知症初期集中支援チームの設置、認知症サポーターの養成、認知症地域支援推進員の配置などを進めている。65歳未満で発症する若年性認知症は就労や生計の問題が重なるため、別途の支援体制が必要となる。窓口では、本人・家族への早期相談対応と、医療・介護・地域をつなぐコーディネートが求められる。
中核症状とBPSD(行動・心理症状)
認知症の症状は、脳の障害から直接生じる「中核症状」(記憶障害、見当識障害、実行機能障害など)と、それに本人の性格・環境・心理が加わって二次的に現れる「BPSD(認知症の行動・心理症状)」に分けて理解される。BPSDは徘徊・暴言・暴力・不穏・抑うつなど多様で、環境調整やケアの工夫で軽減しうるため、薬物に頼らない対応(非薬物的アプローチ)が重視される。
認知症施策の枠組み
認知症基本法(2023年)は、認知症の人を含めた共生社会の実現を基本理念とし、国・地方公共団体・国民・事業者の責務を定めている。これを受けて自治体は、相談から専門医・介護サービスへ早期につなぐ認知症初期集中支援チーム、地域で見守りを担う認知症サポーターの養成、本人・家族の交流の場である認知症カフェなどを整備している。
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