ジチテン

訓告

読み:くんこく

訓告とは、職員の服務上の問題行為に対して任命権者・所属長が行う行政指導的措置であり、戒告・減給・停職・免職といった地方公務員法上の懲戒処分とは異なり、法律上の効力を持たない非公式な指導措置である。

この説明はいかがですか?

地方公務員法第29条は戒告減給停職免職の4種類を懲戒処分として定め、処分には法定の手続き(処分説明書・不服申立て等)が必要となる。訓告はこれら法定処分の下位に位置する「行政措置」であり、任命権者または所属長が職員の行為の問題性を指摘し、将来の改善を促す口頭または書面による指導である。

訓告の法的性質

訓告は処分通知書ではなく訓告書・注意書等の名称で交付される書面であり、法律上の不服申立て(審査請求取消訴訟)の対象とはならない。一方で人事記録に記録される場合があり、昇任・異動の判断資料として事実上の影響を持ちうる。訓告の対象となる行為は軽微な服務違反(遅刻常習・報告遅延・軽度の不注意行為等)が典型であるが、法定処分との境界線は事案の重大性・故意性・被害の有無等によって判断する。同一職員への訓告が繰り返される場合、懲戒処分への移行を検討するタイミングを組織として判断する必要がある。

運用上の留意点

訓告を行う際は、①対象となる具体的な行為、②関係法令・服務規律との抵触内容、③改善を求める事を明示した訓告書を交付し、職員の署名・受領確認を得ることが記録管理上の基本となる。訓告書の写しは人事記録として一定期間保存し、繰り返しの問題行為があった場合の懲戒処分への移行の証拠として管理する。訓告が問題のある指導方法(パワーハラスメント的な実施等)とならないよう、実施前に人事担当と協議する手順を内規で定めることが望ましい。

懲戒処分との使い分け

事案の重大性が低く懲戒処分の適用が均衡を失する場合に訓告を活用する一方、同種の問題行為が繰り返された場合や組織への影響が大きい場合は速やかに法定の懲戒処分手続きに移行することが組織規律の維持につながる。訓告・注意・厳重注意など非公式措置の段階を内規で体系化することで、事案の重さに応じた一貫した対応が可能となる。訓告の実施件数・内容を年度ごとに集計し、懲戒処分事案との比較分析を行うことで服務規律の実態把握と再発防止策の立案に役立てることができる。担当者の変更による対応方針のぶれを防ぐため、訓告の実施基準と手続きを文書化し、人事担当部署が統一した判断を行える体制を整備することが組織規律の安定につながる。担当組織における実務標準の維持と継続的な制度理解の深化が個々の職員の専門性向上に寄与し、業務品質の底上げと住民サービスの質の確保につながる。関係法令の改正動向を継続的に把握し、制度変更を速やかに実務に反映する体制整備が担当部署の基本的な取組となる。

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