駅前の商店街や、住宅地に近接した中規模スーパー・飲食店が集まる通りは、この地域の指定によることが多い。近隣商業地域は、商業系2類型のうち住居系寄りの地域で、近隣住民の日常の買物を支える店舗・事務所の利便増進を目的とする。商業地域が劇場・映画館や大規模な業務施設まで集積させるのに対し、近隣商業地域は住宅・店舗・小規模な工場が混在しやすく、住環境との近さを残す点が違いである。建蔽率は60〜80パーセント、容積率は100〜500パーセントの範囲で都市計画により定められ、商業地域より容積率の上限は低い。住居系から商業系へ移る連続体のなかで、商業系の入口にあたる類型といえる。
近隣商業地域が認める店舗と小規模工場の混在
近隣商業地域では、住宅・共同住宅・店舗・飲食店・事務所のほか、危険性や環境悪化のおそれが少ない小規模な工場まで建てられる(建築基準法別表第二・り項)。商業系でありながら住宅の立地が広く認められ、近隣住民向けのスーパーマーケット・ドラッグストア・飲食店と住宅が同じ街区に共存しやすい。工業についても、作業場の床面積が一定以下で危険・有害性の小さい工場であれば立地でき、町工場と店舗・住宅が混在する下町的な市街地がこの地域に多い。一方、客席の大きな映画館や床面積の特に大きな業務施設の立地には制約が残り、あくまで近隣住民の日用品供給を主目的とする商業地として性格づけられている。
近隣商業地域と商業地域を分ける容積率と集積の度合い
近隣商業地域と商業地域は、ともに商業系の用途地域だが、想定する商業の規模と容積率の上限が異なる。近隣商業地域の容積率は100〜500パーセントの範囲で定められるのに対し、商業地域では200〜1300パーセントまで設定でき、より高密度の業務集積を許す。用途面でも、近隣商業地域は近隣住民の日常の買物支援を主とするのに対し、商業地域は広域から人を集める百貨店・劇場・オフィス街までを受け止める。建蔽率は近隣商業地域が60〜80パーセント、商業地域が一律80パーセントとされる。近隣商業地域は、住居系と商業地域のあいだに置かれ、住宅地に近接しつつ日常的な商業利便を担う中間的な地域として整理できる。
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