ジチテン
意味

回議とは、起案された文書を、決裁を受けるために決裁権者まで順次回付し、その過程で関係する上司の確認・押印を求める文書事務上の手続である。

職員が作成した起案文書は、直ちに最終決定となるわけではなく、係長課長補佐課長といった上位の職へと順に回され、それぞれの確認を経て決裁権者の決裁に至る。この回付の流れが回議であり、組織としての意思決定を一枚の文書の上で積み上げていく仕組みである。回議は決裁権者まで縦に上がっていく流れであるのに対し、関係する他の部署の同意を横に求める合議とは方向が異なる。回議の途中で異論があれば、起案を修正し、または差し戻して再検討することになる。近年は紙の回議書による押印に代えて、電子決裁システム上で回議の経路と承認の記録を管理する自治体が増えている。

合議との違い

回議と合議は、いずれも起案文書を関係者に回して確認を求める手続だが、回付の方向と目的が異なる。回議は、起案者から決裁権者に向かって、指揮命令系統に沿って縦に文書を上げていく流れであり、各段階の上司が内容を確認したうえで決裁権者の決裁に至る。これに対し合議は、その事案に利害や関係を持つ他の部署の同意を、横の関係で求める手続である。たとえば予算を伴う事業の起案であれば財政担当課に、法令解釈に関わる事案であれば法務担当課に合議し、関係部署の合意を得たうえで決裁に進む。回議が組織の上下の意思決定の積み上げであるのに対し、合議は部署間の横の調整であり、両者が組み合わさって一つの起案の決裁が形づくられる。

電子決裁における回議

従来、回議は紙の回議書(起案用紙)を物理的に各職員へ回し、それぞれが押印することで行われてきた。この方式では、担当者の不在によって文書が滞留したり、どこで処理が止まっているかが把握しにくいといった課題があった。近年は、文書管理システムや電子決裁システムの導入により、回議の経路をあらかじめ設定し、各承認者が画面上で内容を確認して承認・差戻しを行う運用が広がっている。電子決裁では、誰がいつ承認したかが記録として残り、回議の進捗を一覧で確認できるため、処理の迅速化と意思決定過程の透明化につながる。一方で、押印という形式に伴っていた内容確認の慣行が形骸化しないよう、承認の意味を職員に徹底することも課題として指摘される。

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