ジチテン

自助・共助・公助

読み:じじょきょうじょこうじょ

意味

自助・共助・公助とは、災害対策を担い手の別で三つに整理した枠組みで、自らと家族の身を守る「自助」、近隣や地域コミュニティが助け合う「共助」、行政や公的機関が担う「公助」を指す。

発災直後の数時間、行政の救助が現場に届かないあいだに誰が命を守るのか——この問いが自助・共助・公助という整理の出発点である。阪神・淡路大震災で倒壊家屋から救出された人の大半が家族や近隣住民の手によるものだったという調査結果が、公助の限界と共助の重みを行政に突きつけた。災害対策基本法第2条の2は国・自治体の責務とともに住民自らの努力をうたい、地区防災計画自主防災組織はこの三層のうち自助・共助を制度として支える仕組みである。三者は段階ではなく同時に働く層であり、公助だけを厚くしても初動の空白は埋まらず、自助・共助だけでは大規模・広域の災害に立ち行かない。防災教育や訓練の現場では、この配分をどう住民に腹落ちさせるかが地域防災力の実質を左右する。

「7対2対1」という経験則の出どころ

防災の現場では自助・共助・公助の比重をおおまかに7対2対1と語ることがある。これは法令上の定義ではなく、阪神・淡路大震災の救助実態(生き埋めや閉じ込めから救出された人の多くが自力または家族・近隣によるもので、救助隊によるものは少数だった)を背景に、公助が初動で果たせる役割の小ささを戒める標語として広まった経緯がある。自治体の啓発では、この比率を根拠に「まず3日分の備蓄と家具固定」という自助の具体策へ落とし込む使い方がされる。

公助の側の自戒という性格

この枠組みは住民に努力を促す文脈で使われがちだが、本来は行政が公助の限界を自認し、共助の担い手(自主防災組織・自治会・事業者)を平時から育てておく必要性を示すものである。共助を当てにして公助の備えを薄くする口実に転用すると、要配慮者など共助が届きにくい層が取り残される。自治体の地域防災計画では、自助・共助への支援策(資機材補助・リーダー育成・訓練機会の提供)を公助の一部として位置づけ直す書き方が定着しつつある。

つながりのある用語

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