ジチテン

地区防災計画

読み:ちくぼうさいけいかく

意味

地区防災計画とは、災害対策基本法第42条の2に基づき、地区居住者等(自治会・町内会・マンション管理組合等の地域コミュニティ)が自ら策定する地区単位の防災計画で、市区町村の地域防災計画に組み込むことができる。

災害対応を行政が一律に決めた計画だけに頼ると、路地の入り組み方や要配慮者の所在といった、その土地に住む人にしか分からない事情が抜け落ちる。地区防災計画は、自治会やマンション管理組合といった地域コミュニティが自らの手で作る、地区単位の防災計画である。住民が自分たちの弱点と備えを当事者として描き、地域の実情に根ざした防災へ転換する点に意味がある。

2013年の災害対策基本法改正で創設され、行政が決めた計画に住民が従う従来型から、住民が主体的に計画を作る参加型への転換を促す制度である。地区居住者などが作った計画を市区町村長に提案でき、市区町村長は地域防災計画への組み込みを検討する義務を負う。住民の手による計画が行政の計画と結びつくことで、実効性が高まる。

計画に定める主な事項

地区防災計画には、ハザードや要配慮者の状況・コミュニティの特徴といった地区の特性、近隣住民の声かけや集合場所・避難ルートといった避難行動、要配慮者名簿の地区版管理などの安否確認の方法、地区独自の防災資機材や備蓄、訓練・学習会・防災マップ作成といった平時の防災活動が盛り込まれることが多い。その地区にどんな危険があり誰に手助けが要るのかを住民自身が書き出す過程そのものが、防災への当事者意識を育てるといえる。

市区町村のサポート役割

市区町村は地区防災計画の策定を希望する地区に対し、ハザード情報や地域の人口・要配慮者情報の提供、ファシリテーターの派遣といった計画策定ワークショップの支援、策定後の地域防災計画への組み込み、定期的な更新と訓練の支援を行う。住民の自発的な動きを行政が後押しすることで、計画が絵に描いた餅に終わらず実際の活動へと根づいていく。行政は計画を代わりに作るのではなく、住民が動き出すきっかけと情報を差し出す黒子の役回りに徹することが、長続きする地区防災につながる。

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