学校保健安全法とは、学校における児童生徒等および職員の健康の保持増進(学校保健)と、安全の確保(学校安全)に関する事項を定める法律である。
学校は子どもが一日の多くを過ごす場であり、健康診断や感染症への対応、災害や事故への備えを誰がどう担うかが定まっていなければ、子どもの命と健康を守れない。学校保健安全法は、学校での健康管理と安全管理の枠組みを定め、設置者である自治体や学校が果たすべき措置を明らかにする。
2008年に従来の学校保健法を改正・改称して成立した(学校安全に関する規定を加えて名称も変わった)。学校保健の柱として、就学時健康診断や定期健康診断、感染症による出席停止と臨時休業(学級閉鎖等)、保健室と養護教諭、学校医・学校歯科医・学校薬剤師の配置などを定める。学校安全の柱として、施設設備の安全点検、危険等発生時対処要領(危機管理マニュアル)の作成、通学路の安全確保などを設置者・学校に求める。
感染症対策では、校長が出席停止を、設置者が臨時休業を行える根拠がこの法律にあり、インフルエンザや新型感染症の流行時の学級閉鎖の判断はこれに基づく。市区町村等の設置者にとっては、健康診断の実施から学校の安全管理、危機管理マニュアルの整備まで、学校運営の安全衛生面の根拠法である。
学校保健と学校安全の二本柱
この法律は性格の異なる二つの領域を束ねている。学校保健は児童生徒・職員の健康の保持増進で、健康診断・健康相談・保健指導・感染症予防・保健室や養護教諭、学校医等の専門職の配置を定める。学校安全は事故・災害から子どもを守る取組で、施設設備の安全点検、安全に関する指導(安全教育)、危険等発生時の対処要領の作成、関係機関や地域・保護者との連携を定める。2008年の改正で学校安全の規定が大幅に拡充され、名称も学校保健法から学校保健安全法へ改められた。
出席停止と臨時休業
感染症対策の根拠規定として、二つの仕組みがある。出席停止は、感染症にかかった・かかるおそれのある個々の児童生徒に対し校長が行うもので、本人の登校を止める。臨時休業(学級閉鎖・学年閉鎖・休校)は、感染の拡大を防ぐため学校の設置者が学校全体や学級単位で授業を止めるもので、判断の主体が異なる。インフルエンザ流行時の学級閉鎖や、新型感染症流行時の休校はこの規定に基づく措置である。出席停止の期間の基準は学校保健安全法施行規則が感染症ごとに定める。
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