動物愛護管理法とは、動物の虐待防止や適正な飼養を図り、人と動物の共生する社会の実現をめざして、動物取扱業の規制や所有者の責務、自治体による犬猫の引取りなどを定める法律である。
ペットをめぐるトラブルや遺棄・虐待は、近隣の生活環境にも直結する身近な行政課題である。これに対応する基本の法律が動物愛護管理法で、動物を適正に扱う責務を飼い主に課すとともに、ペットショップやブリーダーなどの動物取扱業を登録制とし、飼養施設や販売の方法を規制する。自治体には、犬猫の引取りや、所有者不明の動物の保護、動物取扱業者への監視・指導、虐待や多頭飼育の事案への対応といった事務が割り当てられる。近年の改正で、繁殖業者へのマイクロチップ装着の義務づけや、飼養数の上限規制、罰則の強化が進んだ。担当部署は保健所や動物愛護センターが中心で、苦情処理から殺処分の削減、譲渡の推進まで、住民感情とも向き合う実務を担う。
動物取扱業の規制と自治体の監視
動物愛護管理法の柱の一つが、動物取扱業に対する規制である。ペットの販売・保管・貸出し・訓練・展示などを業として行う者は、第一種動物取扱業として都道府県・政令市等に登録しなければならず、飼養施設の基準、販売時の現物確認・対面説明、従業者数に応じた飼養数の上限などの遵守が要る。自治体はこれらの基準が守られているかを立入りで監視し、違反には改善勧告・命令、登録の取消しといった措置をとる。営利でない譲渡や保護活動を行う団体も、一定規模以上は第二種動物取扱業として届出が要る。登録・届出の受理と監視指導は、動物の福祉と周辺の生活環境を守る自治体の中心的な役割である。
犬猫の引取りと殺処分削減
自治体の動物愛護行政で長く課題とされてきたのが、犬猫の引取りと殺処分である。動物愛護管理法は、所有者が飼えなくなった犬猫の引取りを自治体に求める一方、安易な引取りを助長しないよう、終生飼養に反する場合などには引取りを拒否できる規定を設けている。引き取った動物や保護した迷い犬・猫は、もとの飼い主への返還や、新たな飼い主への譲渡を進め、やむを得ない場合に殺処分する。近年は、譲渡の推進やボランティア・愛護団体との連携、不妊去勢の助成によって、殺処分数を大きく減らす取り組みが各地で進む。動物愛護センターは、収容・譲渡・啓発の拠点としてこの流れの中心を担う。
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