苦情処理とは、入札・契約の手続に不服のある者の申立てを受け付け、手続の適否を審査して救済を図る仕組みをいい、とくに政府調達協定に基づく政府調達苦情処理をいう。
入札に参加した事業者が手続に不公正を感じても、訴訟は時間も負担も大きい。より簡易に手続の適否を問える受け皿が苦情処理である。WTO政府調達協定は、基準額以上の特定調達契約について、調達手続に不服のある供給者が独立した機関に苦情を申し立てられる仕組みの整備を加盟国に義務づけている。日本では、国の調達について政府調達苦情処理体制(CHANS)が設けられ、調達手続が協定に適合していたかを審査して、必要に応じて是正を勧告する。地方公共団体の特定調達契約についても、苦情を受け付け審査する仕組みが整えられている。これとは別に、特定調達契約以外の一般の入札についても、入札監視委員会など第三者の関与による苦情・意見の受付や、発注者内部での苦情対応の仕組みが設けられることがある。
政府調達苦情処理の仕組み
政府調達苦情処理は、WTO政府調達協定が求める、調達手続の適否を簡易・迅速に審査する仕組みである。国の調達については政府調達苦情処理体制(CHANS)が設けられ、特定調達契約の手続に不服のある供給者は、所定の期間内に苦情を申し立てることができる。苦情を受けると、独立した検討組織が調達手続が協定や関係法令に適合していたかを審査し、必要があれば調達機関に是正を勧告する。これは、訴訟による解決に比べて迅速で、調達の進行中でも手続の見直しを促せる点に特色がある。地方公共団体の特定調達契約についても、都道府県・政令指定都市が同様の苦情処理の仕組みを整備し、内外無差別と透明性を担保する。
一般の入札における苦情・不服への対応
特定調達契約以外の通常の入札についても、手続の公正を確保するため、苦情や不服に対応する仕組みが設けられることがある。入札監視委員会は、学識経験者など第三者で構成され、発注者の入札・契約手続の運用状況を事後にチェックし、入札参加者からの苦情を審議して意見を述べる。発注者の内部でも、入札説明書や要綱で苦情・質問の受付窓口や期限を定め、質問回答書による回答や説明責任の履行によって疑義の解消を図る。これらは、入札の取消しや無効の判断とは別に、手続の透明性と参加者の納得性を高める役割を持つ。苦情処理の仕組みが整っていることは、競争性・公正性を担保し、発注者の説明責任を果たすうえで重要である。
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