ジチテン

特定調達契約

読み:とくていちょうたつけいやく

別名:WTO政府調達
意味

特定調達契約とは、WTO政府調達協定の適用を受ける一定金額(基準額)以上の物品・工事・役務の調達契約で、内外無差別など協定に基づく特別の手続が義務づけられるものをいう。

国際入札と聞くと縁遠く感じられるが、一定額以上の大型調達では協定上の特別ルールが必ずかかる。その対象となる契約が特定調達契約である。WTO政府調達協定は、加盟国の政府機関等が行う一定金額(基準額)以上の調達について、外国企業を差別せず内外無差別に競争へ参加させることなどを義務づけている。日本では、国の機関や都道府県・政令指定都市などが、この基準額以上の物品・工事・役務を調達する場合に特定調達契約として扱い、一般競争入札を原則とし、英語を含む十分な公告期間の確保、苦情処理の仕組み(政府調達苦情処理)の整備など、協定に対応した手続を踏む。基準額は二年ごとに改定される。発注者は、調達金額が基準額にするかを見極め、達する場合は通常の入札よりも長い公告期間や特別な公告方法を確保する必要がある。

適用される手続の特例

特定調達契約には、通常の入札契約手続に上乗せして、WTO政府調達協定に対応する特別の手続が適用される。第一に、内外無差別の原則により、外国企業を国内企業と差別せず競争に参加させる。第二に、十分な競争機会を確保するため、通常より長い入札公告期間(おおむね四十日程度)を設ける。第三に、公告は官報のほか所定の方法で行い、外国企業も応札しやすいよう情報提供に配慮する。第四に、調達手続に不服のある者が申し立てる政府調達苦情処理の仕組みを整える。これらは、基準額以上の調達において競争性・透明性・無差別を国際的に担保するためのもので、地方公共団体については、都道府県および政令指定都市が地方自治法施行令の特例政令に基づいてこれらの手続を行う。

基準額と対象の判定

特定調達契約に当たるかどうかは、調達の予定金額が基準額以上かで判定する。基準額は、WTO政府調達協定で定める特別引出権(SDR)建ての額を円換算したもので、二年ごとに改定される。物品・役務と工事とで額が異なり、また国の機関と地方公共団体(都道府県・政令市)とでも対象範囲が定められている。発注者は、調達計画の段階で予定金額が基準額に達するかを確認し、達する場合は通常の入札スケジュールよりも前倒しで公告準備を始める必要がある。基準額に達しない調達は通常の入札契約手続によるため、判定を誤ると公告期間の不足などの手続違反となり、入札のやり直しや苦情申立てを招く。担当者は、最新の基準額と対象範囲を確認して、特定調達契約に該当するかを早期に見極める。

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