ジチテン

田園住居地域

読み:でんえんじゅうきょちいき

意味

田園住居地域とは、都市計画法第8条に基づく用途地域の一種で、農業の利便と調和した低層住宅の良好な環境を守るために定める地域である。2018年施行の改正都市計画法で13番目の用途地域として新設された。

市街化区域内で農地と住宅が混在する地区は、これまで住居系の用途地域に押し込められ、農地が宅地化の圧力にさらされてきた。田園住居地域は、こうした都市の農地を住環境とあわせて積極的に守るために設けられた新しい用途地域である。窓口では、生産緑地とともに都市農地保全の相談で名前が挙がる。

規制の内容は第一種低層住居専用地域に近く、低層住宅を中心とした静かな環境を保つ。これに加えて、農産物の直売所や農家レストランなど、その地域の農業に関連する一定の店舗の立地を認める点が特徴である。住むことと農業を営むことが両立する街区を想定している。

区域内の農地で土地の造成や建築、土石の堆積を行う場合は市町村長の許可が必要となり、農地の無秩序な転用に歯止めをかける点も特徴である。2018年に用途地域として追加されたが、指定する市町村はまだ少なく、運用例の蓄積はこれからという段階にある。

13番目の用途地域として新設された経緯

田園住居地域は、2017年改正・2018年4月施行都市計画法により、それまで12種類だった用途地域に加わった13番目の地域である。背景には、市街化区域内の農地を「いずれ宅地化する土地」から「都市に残し活用する緑地」へと位置づけ直す、2015年の都市農業振興基本法以降の政策転換がある。同法に基づく基本計画では、都市農業を都市に「あるべきもの」として保全・活用する方針が打ち出され、その都市計画上の受け皿として田園住居地域が制度化された。住居系の規制で住環境を守りつつ、農地と農産物の直売所・農家レストランなど農業関連施設の立地を正面から認める点で、従来の用途地域にはない性格を持つ。

農地の開発に市町村長の許可が要る

田園住居地域内の農地では、土地の形質変更、建築物その他工作物の建築、一定規模を超える土石その他の物件の堆積を行うときに市町村長の許可が必要となる(都市計画法第52条)。許可を要しない例外や、市街地化の状況からみて必要な場合に300平方メートル以上のものに限る等の規模要件もあるが、基本は生産緑地に似た行為制限を、用途地域の枠組みのなかで農地に及ぼす仕組みである。許可制によって農地の細切れな転用を抑え、農と住が調和した街並みを維持することをねらう。

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