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大都市地域における特別区の設置に関する法律

読み: だいとしちいきにおけるとくべつくのせっちにかんするほうりつ

別名: 大都市地域特別区設置法
意味

大都市地域における特別区の設置に関する法律(大都市地域特別区設置法)とは、道府県の区域内の人口200万以上の大都市地域で、関係市町村を廃止して特別区を設置するための手続を定める法律である(平成24年法律第80号)。いわゆる大阪都構想の根拠法にあたる。

東京都にしか存在しなかった特別区を、東京都以外の大都市地域にも設けられるようにしたのがこの法律である。それまで政令指定都市を抱える道府県には、都と区のような二層の大都市制度へ移行する法的な道がなかった。

対象は、一つの指定都市、または一つの指定都市と隣接市町村の人口が合計200万以上となる地域に限られる。手続は、関係する道府県と市町村でつくる特別区設置協議会が特別区設置協定書を作成し、関係市町村それぞれの住民投票で過半数の賛成を得たうえで総務大臣に届け出る、という多段階の同意を要する。大阪市を廃止して特別区へ再編する大阪都構想は、この法律に基づき2015年と2020年に住民投票が行われ、いずれも僅差で否決された。

対象となる大都市地域の要件

この法律が使えるのは、人口200万以上という規模要件を満たす大都市地域に限られる。具体的には、一つの指定都市が単独で200万以上の場合と、一つの指定都市とこれに隣接する市町村を合わせて200万以上となる場合である。政令指定都市のうち単独で要件を満たすのは横浜市、大阪市、名古屋市など一部で、多くは隣接市町村との合算を前提とする。東京都の特別区が地方自治法に直接根拠を持つのに対し、本法は東京都以外の地域が新たに特別区へ移行するための一般的な手続法として2012年に制定された。

特別区設置までの手続

特別区の設置は、住民と関係自治体の重層的な同意を経て進む。まず関係する道府県と市町村が特別区設置協議会を設け、新たな特別区の名称や区域、財産の処分、税源配分や財政調整などを定めた特別区設置協定書を作成する。協定書は関係する道府県議会と市町村議会の承認を受けたうえで、関係市町村ごとに住民投票にかけられ、過半数の賛成があってはじめて効力を持つ。一つでも反対多数の市町村があれば設置はできない。最終的に総務大臣へ届け出て特別区が設置され、もとの市町村は廃止される。住民投票の結果に法的拘束力を持たせている点が、諮問的な住民投票が多い日本の地方自治のなかで例外的である。

大阪都構想と二度の住民投票

本法の唯一の適用事例が、大阪市を廃止して複数の特別区に再編しようとする大阪都構想である。大阪府と大阪市は2015年5月と2020年11月の二度、大阪市民を対象とする住民投票を実施した。いずれも賛成と反対の差はおよそ1ポイントの僅差で、2015年・2020年とも反対多数で否決され、大阪市の特別区移行は実現していない。制度上は他の大都市地域でも利用できるが、これまで協定書の作成から住民投票まで至った例は大阪のほかにない。二度の否決は、大都市制度の選択が住民にとって判断の難しい争点であることを示した。

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