ジチテン

武力攻撃事態

読み:ぶりょくこうげきじたい

意味

武力攻撃事態とは、武力攻撃事態対処法に定める事態の一つで、外部からの武力攻撃が発生した事態、または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態をいう。

他国からの武力攻撃という、自然災害とは原因も対応の枠組みも異なる事態に、自治体はどう備え住民をどう守るのか——その出発点となる法律上の概念が武力攻撃事態である。武力攻撃事態対処法は、外部からの武力攻撃が発生した、または発生の明白な危険が切迫した状態を「武力攻撃事態」とし、そこに至らないが緊迫して攻撃が予測される状態を「武力攻撃予測事態」として、両者を合わせて武力攻撃事態等と呼ぶ。この認定が政府によって行われると、国民保護法に基づく避難・救援・武力攻撃災害への対処の仕組みが動き出し、市区町村国民保護計画に沿って住民の避難誘導や安否情報の収集を担うことになる。想定される攻撃の態様としては、危険物施設への攻撃、多数の人が集まる施設や交通機関への攻撃、生物・化学兵器など特殊な手段による攻撃、交通機関を破壊手段に用いる攻撃が挙げられている。災害対策が市区町村中心であるのに対し、こうした事態の対処は国が主導し都道府県・市区町村がこれに従う指揮系統になる点が、防災との大きな違いである。

「事態」と「予測事態」の線引き

武力攻撃事態対処法は、武力攻撃が発生した、または発生の明白な危険が切迫した状態を「武力攻撃事態」、そこには至らないが事態が緊迫し攻撃が予測される状態を「武力攻撃予測事態」と区別する。両者を合わせた「武力攻撃事態等」が国民保護の措置を発動する前提となり、どちらに認定されるかで講じられる対処措置の重さが変わる。この認定は政府が対処基本方針を定める形で行われ、国会の承認を経る手続が組まれている。基本方針には事態の認定の前提となった事実や対処の基本方針、自衛隊の防衛出動の要否などが記される。

防災との指揮系統の違い

自然災害への対応が市区町村を一次的な実施主体とするのに対し、武力攻撃事態への対処は国が主導し、都道府県・市区町村は国・都道府県の方針のもとで国民保護措置を実施する。市区町村は国民保護計画に基づいて住民の避難誘導、避難所の開設、安否情報の収集などを担うが、避難の指示そのものは国・都道府県から下りてくる。平時の災害対応の感覚で動くと指揮系統を取り違えるため、国民保護の枠組みを別系統として理解しておく必要がある。

つながりのある用語

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