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ジチテン

3D都市モデル

読み:さんでぃーとしもでる

別名:PLATEAU
意味

3D都市モデルとは、都市の建物・地形などを3次元のデジタルデータとして再現した地理空間情報である。国土交通省が2020年度に開始したProject PLATEAU(プラトー)により、標準仕様での整備とオープンデータ化が全国で進められている。

「浸水深3m」と言われても、自宅の2階が水没するのかどうかは平面のハザードマップから読み取りにくい。建物の高さを持つ3D都市モデルに浸水想定を重ねれば、どの建物の何階まで水が来るかが立体で見え、垂直避難の可否という具体的な問いに答えられる。国土交通省のProject PLATEAUは、自治体が既に持つ都市計画基礎調査の建物データや航空測量の成果から3D都市モデルを起こし、国際標準のCityGML形式で整備してオープンデータとして公開する事業で、初年度の56都市から対象が全国に拡大してきた。都市のデジタルツインを支える基盤データと位置づけられ、防災のほか日影・景観のシミュレーション、太陽光発電ポテンシャルの推計、再開発の合意形成用の可視化に使われる。自前のシステムを持たなくてもデータ自体は無償で入手できるため、まず防災部局の検討材料として触れてみる入り方が現実的である。

新しい測量ではなく既存データの再編——整備の仕組み

PLATEAUの3D都市モデルは、ゼロから都市を測り直して作るのではなく、都市計画基礎調査の建物利用現況データと航空測量の成果(航空写真・点群)を組み合わせて生成する。建物を箱として表すLOD1、屋根の形状まで再現するLOD2といった詳細度の段階があり、用途や構造、階数などの属性が建物に付与される点が、見た目だけの3DCGとの決定的な違いである。形式は国際標準のCityGMLで、成果はG空間情報センターから誰でも無償で入手できる。自治体側の論点は更新で、原データである都市計画基礎調査はおおむね5年周期のため、市街地の変化をどの頻度でモデルに反映するか、整備・更新の費用を誰が負担するかが導入検討の核心になる。属性の充実度は原データの精度に依存するため、基礎調査の品質がそのままモデルの使い道を左右する。

可視化の先にある使い道——属性を持つ3Dだからできること

3D都市モデルの価値は「立体で見える」ことだけではない。建物ごとに用途や階数、構造の属性を持つため、浸水想定と重ねれば階数別の浸水リスクを建物単位で集計でき、要配慮者利用施設の垂直避難可否の点検に直結する。屋根形状(LOD2)があれば日照条件から太陽光発電のポテンシャルを面的に推計でき、脱炭素の施策検討に使える。高さ規制や再開発の計画案をモデル上に置けば、スカイラインや日影への影響を住民説明会でそのまま見せられ、図面では伝わらない合意形成の材料になる。導入のハードルは技術よりも目的の設定で、ユースケースを決めずにデータだけ整備すると死蔵されやすい。先行事例の多くが防災を入口にしているのは、浸水・土砂災害の可視化が費用対効果を最も説明しやすいからである。

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