都市機能誘導区域とは、立地適正化計画において、医療、福祉、商業などの都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約するために定める区域をいう(都市再生特別措置法)。区域内に誘導すべき施設を誘導施設として定める。
病院や福祉施設、商業施設といった暮らしを支える機能が郊外に分散すると、車を使えない人ほど生活に不便を強いられ、施設の経営も成り立ちにくくなる。都市機能誘導区域は、こうした都市機能を拠点に集めて、誰もが利用しやすいまちをめざす区域である。
市町村は、立地適正化計画のなかで、居住誘導区域の内側に都市機能誘導区域を定め、そこに誘導したい医療、福祉、商業などの施設を誘導施設として位置づける。区域の外でこれらの誘導施設を整備しようとする場合には市町村への届出が求められ、区域内への立地に対しては支援や規制の緩和などの働きかけが行われる。これにより、生活に必要な機能を拠点に集約し、公共交通で結ばれた歩いて暮らせるまちの実現をめざす。居住を集める居住誘導区域とあわせて、コンパクトシティの考え方を具体化する中心的な区域である。
誘導施設という考え方
都市機能誘導区域を特徴づけるのが、誘導施設という考え方である。市町村は、区域に誘導したい都市機能を担う具体的な施設を、誘導施設として立地適正化計画に定める。何を誘導施設とするかは、その都市が拠点に集めたい機能によって異なり、病院や診療所、高齢者福祉施設、子育て支援施設、図書館などの文化施設、一定規模の商業施設などが選ばれる。誘導施設を区域内に整備する場合には、税制上の特例や財政的な支援、容積率の緩和といった後押しが用意される一方、区域の外でこれらの施設を整備しようとする場合には届出が必要となる。誘導施設を定めることで、漠然と機能を集めるのではなく、その都市にとって重要な機能を具体的に特定し、拠点への集約を計画的に進めることができる。
拠点への集約がもたらす効果と課題
都市機能を拠点に集約することには、明確な効果が期待される一方、難しさも伴う。集約が進めば、住民は医療や買い物などの用事を一つの拠点でまとめて済ませられるようになり、公共交通の利用も支えやすくなる。施設の側も、一定の利用者が見込める拠点に立地することで、経営を維持しやすくなる。行政にとっても、インフラやサービスを拠点に集中させることで、人口減少下でも効率的な行政運営が可能になる。しかし、現に区域外で営業している施設や、そこに通う住民にとっては、集約の方針が利便の低下と受け止められかねない。誘導はあくまで緩やかなものであり、効果が現れるには長い時間を要する。区域内外の住民の納得を得ながら、長期的な視点で拠点形成を進められるかどうかが、制度の成否を分ける。
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