居住誘導区域とは、立地適正化計画において、人口減少のなかでも一定の人口密度を維持し、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき区域として定める区域をいう(都市再生特別措置法)。
人口が減っていくなかで、市街地が薄く広がったままでは、生活を支えるサービスも行政の効率も維持できなくなる。居住誘導区域は、住まいを一定の範囲に緩やかに集めることで、暮らしやすさを将来にわたって保とうとする区域である。
市町村が定める立地適正化計画のなかで、都市計画区域のうち、居住を誘導し人口密度を維持していくべき区域として設定される。区域の外で一定規模以上の住宅開発などを行う場合には市町村への届出が求められ、市町村は必要に応じて区域内への立地を促す。居住誘導区域は、強制的に住む場所を定めるものではなく、住宅取得への支援や生活基盤の整備を通じて、長い時間をかけて緩やかに居住を導く点に特徴がある。都市の機能を誘導する都市機能誘導区域とあわせて、コンパクトなまちづくりを進めるための中心的な仕組みとなっている。
緩やかな誘導という手法
居住誘導区域の特徴は、規制ではなく緩やかな誘導によって居住の集約を図る点にある。区域の外に住むことを禁じるのではなく、区域外で一定規模以上の住宅開発を行う際に届出を求め、区域内では住宅の取得や建替えへの支援、生活サービスの確保といった働きかけを重ねることで、長い時間をかけて居住を区域内へと導く。これは、すでに区域外に住んでいる人や土地を持つ人の権利に配慮しつつ、人口減少という大きな流れのなかで市街地の密度を保とうとする現実的な手法である。半面、緩やかであるがゆえに効果が現れるには長い年月を要し、区域の内と外とで生活基盤の整備に差をつけることへの住民の理解をどう得るかが課題となる。誘導という手法の限界と可能性を見極めながら、計画を粘り強く運用していくことが求められる。
都市機能誘導区域との関係
居住誘導区域は、都市機能誘導区域と一体となって、コンパクトなまちづくりを形づくる。都市機能誘導区域が、医療や福祉、商業といった都市の生活を支える機能を一定の拠点に集めようとする区域であるのに対し、居住誘導区域は、その拠点や公共交通で結ばれた範囲に居住を集めようとする区域である。両者は、機能の集約と居住の集約という二つの面から、薄く広がった市街地を、生活サービスが効率よく行きわたる構造へと再編しようとする。都市機能誘導区域は居住誘導区域の中に設定されるのが基本で、人々が住む範囲と、暮らしを支える機能が集まる拠点とを重ね合わせることで、歩いて暮らせるまちの実現をめざす。両区域の設定の整合をどう図るかが、立地適正化計画の要となる。
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