ジチテン

水平避難

読み:すいへいひなん

意味

水平避難とは、災害の危険がある場所から離れ、指定緊急避難場所や安全な親戚宅など、水平方向に位置する別の安全な場所へ移動して身の安全を確保する避難行動の一形態をいう。立退き避難ともいい、上階へ逃れる垂直避難に対する語である。

自宅にとどまるべきか、それとも危険な区域から離れるべきか——その判断の分かれで原則となるのが、早めに別の場所へ移る水平避難である。危険が及ぶ前に、安全な場所へ立ち退いておくという避難の基本を体現する行動である。

指定緊急避難場所のほか、安全な場所にある親戚や知人の家、ホテルなどへ移ることも水平避難に含まれる。避難の原則は、災害の危険が高まる前にこの立退きを終えておくことにある。とりわけ、家屋の倒壊や流失のおそれがある区域や、土砂災害警戒区域では、上階に逃げる垂直避難では命を守れないため、水平避難が事実上の唯一の選択肢となる。一方で、移動そのものにも、暗闇や冠水した道路、強風といった危険が伴う。だからこそ、警戒レベル三から四のうち、まだ周囲が安全に動ける早い段階で完了させることが要となる。

水平避難が唯一の選択肢となる区域

水平避難と垂直避難のどちらをとるかは、その場所の災害の特性によって決まる。ハザードマップで家屋倒壊等氾濫想定区域に指定された場所では、激しい流れによって家屋そのものが倒壊したり流されたりするおそれがあるため、上階に逃げる垂直避難では身を守れない。土砂災害警戒区域も同様で、土砂が建物を押し流す力の前では、屋内にとどまる選択は危険となる。これらの区域では、危険が及ぶ前に区域の外へ立ち退く水平避難が、事実上の唯一の安全策となる。問題は、水平避難ほど早い判断と行動を要する点にある。移動には時間がかかり、暗くなってからや浸水が始まってからでは移動自体が危険になる。自分の住む場所がこうした区域に当たるかをあらかじめ確かめ、早めに立ち退く構えを持っておくことが、命を守る前提となる。

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