賞恤金とは、生命の危険を顧みず職務を遂行して死亡・負傷し特に功労が認められた職員やその遺族に対し、国や自治体が支給する恩恵的な給付金をいう。その勇敢な行為をたたえ弔慰・見舞いの意を表して支給される。
公務で殉職した職員の遺族には、どのような形でその死が報われるのか。賞恤金は、警察官・消防職員・自衛官など生命の危険を伴う職務において、危険を顧みずに職務を遂行して死亡・負傷し、その功労が特に認められた者に支給される。法令上の権利として一律に支払われる補償ではなく、勇敢な行為をたたえる恩恵的・顕彰的な性格を持つ点が特徴である。根拠となる規定は職種ごとに条例や規則で個別に定められ、支給額や要件も職種・事案によって異なる。後述の公務災害補償が損害のてん補を目的とするのに対し、賞恤金は功労への報いという別の動機に立つ。同じ殉職事案に対して両者が併せて支給される場合もある。
公務災害への恩恵的給付
賞恤金は、警察・消防・自衛隊のように、職務遂行が直接生命の危険を伴う職種に設けられている。火災現場での消火活動、犯罪者の制圧、災害救助などの最中に職員が死亡したり重い傷害を負ったりした場合で、その行為に特に顕著な功労が認められたとき、本人または遺族に支給される。支給は権利としての請求に応じる性格ではなく、その勇敢さや献身をたたえる顕彰の意味合いが強い。根拠は警察職員の賞じゅつ金等支給条例のように、自治体や任命権者ごとに条例・規則で個別に定められ、金額も最高位の特別功労に対するものから一般的なものまで段階が設けられていることが多い。
災害補償制度との違い
賞恤金は、地方公務員災害補償法などに基づく公務災害補償とは別系統の制度である。公務災害補償は、公務に起因する死傷について被災者やその遺族が被った損害をてん補することを目的とし、療養補償・障害補償・遺族補償などが法律上の権利として給付される。これに対し賞恤金は、損害のてん補ではなく功労への報奨・弔慰を動機とする恩恵的給付であり、支給するか否かや金額に裁量の余地が残る。したがって、ひとつの殉職事案に対して、公務災害補償としての遺族補償と、顕彰としての賞恤金とが重ねて支給されることがあり、両者は趣旨を異にする並立した仕組みとして理解する必要がある。
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