ジチテン

信用失墜行為

読み:しんようしっついこうい

意味

信用失墜行為とは、地方公務員が、その職の信用を傷つけ、または職員の職全体の不名誉となるような行為をいう(地方公務員法)。法律はこうした行為を禁じており、これに違反した職員は懲戒処分の対象となる。

公務員に対する住民の信頼は、行政が円滑に営まれる土台である。信用失墜行為の禁止は、職員一人ひとりの行いが公務全体の信用に関わることを踏まえ、その信用を傷つける行為を戒める服務上の義務である。

地方公務員法は、職員は、その職の信用を傷つけ、または職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならないと定める。ここで禁じられるのは、収賄や横領のように職務に直接関わる非行に限られない。勤務時間外の私的な場面であっても、飲酒運転や暴力、重大な法令違反など、公務員としての信用を損なう行為は、この義務に反するとされる。信用失墜行為に当たるかどうかは、行為の性質や社会に与えた影響などを踏まえて個別に判断され、これに違反した職員は、職務上の義務違反として懲戒処分を受けることがある。

職務外の行為にも及ぶ理由

信用失墜行為の禁止が、職務に直接関わらない私生活上の行為にまで及ぶ点は、他の服務義務と比べて特徴的である。職務専念義務守秘義務が、主に勤務時間中や職務に関連する場面を対象とするのに対し、信用失墜行為の禁止は、勤務時間外の私的な行為であっても、それが公務員としての信用を損なうものであれば対象となる。これは、公務員に対する住民の信頼が、個々の職員の職務上の行動だけでなく、その人格や私生活上の品位とも結びついているためである。飲酒運転や違法薬物、暴力事件などが報じられると、当の職員個人だけでなく、その属する自治体や公務員全体への信頼が損なわれる。一人の行為が職全体の不名誉となりうるという認識が、この義務の根底にある。

懲戒処分との関係と判断の難しさ

信用失墜行為に当たると判断されれば、職員は懲戒処分の対象となるが、その判断には難しさが伴う。何をもって職の信用を傷つけたといえるかは、行為の内容や悪質さ、職務との関連、社会に与えた影響などを総合して個別に判断するほかなく、明確な線引きがあるわけではない。同じような行為でも、職責の重さや事案の事情によって処分の程度は異なりうる。各自治体は、処分の公平性と予見可能性を高めるため、標準的な量定を示した懲戒処分の指針を定めていることが多い。信用失墜行為の禁止は、抽象的な義務であるがゆえに、その運用にあたっては、恣意に流れず、かつ住民の信頼に応えるという二つの要請のバランスが求められる。

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