ジチテン
意味

専決とは、自治体の事務決裁規程に基づく決裁の一形態で、副市長・部長など定められた職にある者が、規程で定められた範囲の事務について、決裁権者の名において自らの責任で日常的に意思決定を行うものである。

対外的には決裁権者本人が決定したものとして扱われる点で事務の委任とは異なり、また在・不在を問わず恒常的に行使される点で、不在時に限って臨時に代理する代決とも異なる。専決できる事項の範囲は、事案の重要度や金額に応じて事務決裁規程で職位ごとに定められる。なお、地方自治法第179条・第180条に基づき長が議会の議決事項を代わって処分する専決処分とは全く別の概念であり、専決処分は議会と長の権限調整の問題、ここでいう専決は執行機関内部の決裁権限の配分の問題である。

専決の範囲と責任

専決事項は事務決裁規程で職位(副市長部長課長等)ごとに、事案の重要度や金額基準等で区分される。専決した事務は専決者が自らの責任で意思決定するが、対外的には決裁権者である長が行ったものとして扱われ、法的効果は長に帰属する。地方自治研究機構の自治体法務Q&Aは、専決を「長からあらかじめ委ねられた範囲の事務について自らの責任で意思決定を行うが、対外的には長が行ったものとされる」と整理し、職員自身の名と責任で行う事務の委任と区別している。重要な事案を安易に専決の対象とすると、長が把握すべき判断が現場で完結してしまうため、専決の範囲設定は決裁規程を設計するうえでの要点となる。

専決処分との混同に注意

同じ「専決」の語を含むが、地方自治法第179条・第180条に基づく専決処分とは全く異なる概念である。専決処分は、本来議会の議決を要する事件を、議会が成立しないときや緊急を要するとき等に長が代わって処分する制度で、議会と長の権限関係に関わる(第179条が緊急等の場合、第180条が議会の委任に基づく場合)。一方、本項の専決は執行機関の内部で決裁権限を下位の職に配分する事務処理上の仕組みであり、議会は関与しない。規程や通知を読む際は、「事務決裁規程上の専決」か「地方自治法上の専決処分」かを文脈で区別する必要がある。

つながりのある用語

上位概念

対比

ご意見箱(匿名で投稿できます)

0 / 2000