代決とは、自治体の事務決裁規程に基づく決裁の一形態で、決裁権者が不在または事故のとき、補助職員が決裁権者の名において臨時に代わって決裁を行うものである。
決裁権限をあらかじめ恒常的に委任する専決とは異なり、代決はあくまで決裁権者の不在・事故という一時的な事情に対応する代理行為であり、決裁の責任は本来の決裁権者に残る。代決できる範囲や順位は各自治体の事務決裁規程・事務専決代決規程で定められる。代決した事案は、決裁権者が復帰した後に速やかにその内容を示して承認を得る後閲の手続を伴うのが通例である。
専決との違いと責任の所在
代決の特徴は、決裁権限そのものが移るわけではない点にある。専決が在・不在を問わず特定の事務について恒常的に権限を委ね、専決者が自己の責任で最終的な意思決定を行うのに対し、代決は決裁権者の不在・事故という臨時の事情に限って認められ、決裁の責任は本来の決裁権者に残る。諏訪市事務専決及び代決規程は、代決を「決裁権者の不在又は事故等がある場合において…決裁権者の責任として…行うこと」と定義し、専決と明確に区別している。これにより、緊急やむを得ない事案を停滞させない一方で、最終的な責任の所在を決裁権者に保持させる仕組みとして働く。
代決順位と後閲の手続
誰がどの範囲まで代決できるかは、各自治体が定める事務決裁規程・事務専決代決規程で個別に定められる。一般には、決裁権者が不在のときは直近下位の職にある者が代決し、その者も不在のときはさらに次の順位の者が代決するという順位制が採られる。重要な事案や異例の事案は代決の対象から除外し、決裁権者の判断を待つ扱いとする規程も多い。代決した事案については、決裁権者が登庁・復帰した後に速やかにその内容を示して承認を得る後閲の手続が定められているのが通例で、回議書の査閲欄に「後閲」印を押すなどの方法がとられる。後閲は、代決の正当性を事後に担保し、決裁権者が組織の意思決定を把握し続けるための統制として位置づけられる。
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