戦没者特別弔慰金(戦没者等の遺族に対する特別弔慰金)とは、戦没者等の死亡当時の遺族で公務扶助料や遺族年金等を受ける人がいない場合に、先順位の遺族1人に記名国債の形で支給される弔慰金をいう。
戦後80年を経てなお、市町村の窓口に残る援護業務がある。戦没者特別弔慰金は、軍人・軍属等として戦没した人の遺族に対し、国として弔慰の意を表すため記名国債を支給する制度で、1965年の戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法に基づき、戦後の節目ごとに基準日を改めて継続されてきた。公務扶助料や遺族年金などの年金給付を受ける遺族がいない場合に、基準日における先順位の遺族1人に支給される仕組みで、直近の第十二回特別弔慰金は令和7年4月1日を基準日とし、額面27万5千円・5年償還の記名国債が支給される。請求の受付は市区町村の援護担当窓口で、都道府県が審査・裁定を行う。請求期間は3年間に限られ、期間を過ぎると権利が消滅するため、対象になりうる遺族への周知が窓口業務の核心になる。遺族の高齢化で請求者本人の来庁が難しい事例や代理請求の確認など、回を追うごとに事務の難しさは増している。
支給の仕組みと遺族の順位
特別弔慰金は、戦没者の死亡に関して恩給法の公務扶助料や戦傷病者戦没者遺族等援護法の遺族年金などを受ける人が基準日にいないことを要件とし、年金給付の受給者がいる遺族には支給されない補完の設計をとる。受け取れるのは先順位の遺族1人で、順位は弔慰金の受給権者、戦没者の子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹と続き、これらがいない場合は戦没者と生計関係のあった三親等内の親族にまで及ぶ。同順位の遺族が複数いる場合は1人を代表者として請求する。国債は毎年の償還日に金融機関で現金化する仕組みで、相続や紛失時の取り扱いを含め、交付後の照会も市町村窓口に寄せられる。
回次の更新と時限管理
特別弔慰金は恒久の年金ではなく、基準日を改めるたびに法改正で次の回が設けられてきた。当初は十年ごとだったが、遺族の高齢化を踏まえて五年ごとに短縮され、第十一回は令和2年、第十二回は令和7年を基準日とする。請求期間は各回3年で、第十二回は令和7年4月1日から令和10年3月31日までである。回ごとに受給権者の生存状況が変わるため毎回の裁定をやり直す必要があり、前回受給者への案内、未請求者の把握、戦没者遺族の代替わりへの対応が市町村の波動的な業務になる。請求期間の終盤には未請求者への個別の勧奨を行う自治体もある。
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