ジチテン

パリ協定

読み:ぱりきょうてい

意味

パリ協定とは、二〇一五年に採択された気候変動に関する国際枠組みで、世界の平均気温上昇を産業革命前から二度より十分低く抑え、一・五度に抑える努力を目標に掲げ、すべての締約国が削減目標を掲げて取り組むことを定めたものである。

地球温暖化への国際的な取り組みは、先進国だけに削減義務を課した京都議定書から、すべての国が参加する枠組みへと大きく転換した。その新しい土台がパリ協定である。各国が自ら削減目標を定めて国連に提出し、五年ごとに見直して引き上げていく仕組みをとる。日本は二〇五〇年のカーボンニュートラルと中期の削減目標を掲げ、これが国内の地球温暖化対策の上位の枠組みになっている。自治体にとっては、国の目標を地域で具体化する地球温暖化対策実行計画ゼロカーボンシティ宣言の出発点であり、再生可能エネルギーの導入や脱炭素先行地域の取り組みは、いずれもパリ協定が描く長期目標を地域で実現する流れの中に位置づけられる。

京都議定書からの転換

パリ協定の意義は、温暖化対策の枠組みを根本から組み替えた点にある。先行する京都議定書は、削減義務を先進国にのみ課す仕組みだったため、排出量の大きい新興国が対象から外れ、実効性に限界があった。パリ協定は、先進国・途上国の区別なくすべての締約国が削減目標を掲げる方式に転換し、世界全体で取り組む土台を作った。各国の目標は条約で一律に決めるのではなく、各国が自ら設定して提出する(国が決定する貢献)方式をとり、五年ごとに進捗を点検して目標を強化していく。義務の重さを各国に委ねつつ、透明性の確保と定期的な見直しで底上げを図る設計になっている。

自治体施策の上位枠組みとして

パリ協定は国際条約だが、その目標は国内の制度を介して自治体の施策にまで降りてくる。日本はパリ協定をふまえて二〇五〇年カーボンニュートラルを国の方針に据え、地球温暖化対策推進法に基づき自治体に地球温暖化対策実行計画の策定を求めている。区域全体の排出削減を計画する区域施策編は、まさにパリ協定が描く長期目標を地域で具体化するものである。ゼロカーボンシティの表明、脱炭素先行地域への応募、再生可能エネルギーの導入や省エネの推進といった個別の取り組みも、すべてこの国際枠組みと国の目標を起点として連なっている。自治体の担当者は、自らの施策が長期の世界目標とどうつながるかを意識して計画を組む。

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