学びの多様化学校とは、不登校の児童生徒の実態に配慮して、特別の教育課程を編成して教育を行う学校として文部科学大臣が指定する学校である。
不登校の子どもにとって、通常の学校と同じ時間割や教科指導がそのまま負担になり、学校復帰の壁となることがある。一律の教育課程しか認めなければ、学び直したい子どもの受け皿を学校制度の中に用意できない。学びの多様化学校は、不登校の子どもの実態に合わせて教育課程を柔軟に組める特別な学校として、学校教育の枠内での多様な学びの場を確保する。
学校教育法施行規則の特例として、文部科学大臣の指定を受けた学校が、標準の授業時数を下回る時間割や、体験活動を多く取り入れた独自の教育課程を編成できる。2023年に従来の「不登校特例校」から「学びの多様化学校」へ名称が改められた。公立・私立の小学校・中学校・高等学校に設置され、既存校の分教室型や独立校型など形態は多様である。
通常の学校に在籍したまま通う教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールと異なり、学びの多様化学校はそれ自体が正規の学校であり、卒業すれば正式な学歴となる。設置には教育課程の編成や教員配置の準備が要り、文部科学省は設置の拡大を政策目標に掲げている。市区町村・都道府県が設置主体となる。
教育支援センター・フリースクールとの違い
不登校の子どもの学びの場には複数の選択肢があり、位置づけが異なる。教育支援センター(適応指導教室)は教育委員会が設ける学校復帰支援の場で、子どもは元の学校に在籍したまま通い、そこでの出席が在籍校の出席扱いとなりうる。フリースクールは民間の施設で、これも在籍校の校長判断で出席扱いとなる場合がある。これに対し学びの多様化学校は、それ自体が正規の学校であり、子どもはそこに在籍して卒業資格を得る。学校制度の外で支える前二者と、学校制度の中に多様な課程を用意する後者という違いがある。
特別の教育課程の中身
指定を受けた学校は、学習指導要領が定める標準授業時数によらず、年間の総授業時数を減らしたり、教科の枠を超えた体験活動や個別学習の時間を多く設けたりできる。心身の負担に配慮した登校時間の設定や、少人数での指導も特徴である。ただし無制限ではなく、文部科学大臣が認める特別の教育課程の範囲内で編成し、義務教育として必要な学力の保障とも両立させる必要がある。この特別の教育課程の制度は学校教育法施行規則に根拠を置き、学びの多様化学校は従来「不登校特例校」と呼ばれていたものが2023年に名称変更されたものである。
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