ジチテン

前払金

読み:まえばらいきん

別名:前金払い
意味

前払金とは、工事請負契約において、工事の着工前に発注者が請負代金の一部を前もって支払う制度であり、受注者の着工前の資金調達を支えるものである。

公共工事では、資材の調達や労働者の確保といった初期の費用が大きいため、受注者が着工前に請負代金の一部を前払金として受け取れる仕組みが設けられている。地方自治法施行令は、工事の完成前に代金の一部を支払える場合を定めており、前払金の交付にあたっては、保証事業会社が発行する保証書の提出が条件となる。

前払金の額は、請負代金の40パーセント以内が標準で、道路・河川・庁舎などの工事では50パーセント以内まで認められる場合がある。受注者は、前払金を工事以外の用途に使うことを禁じられ、工事材料の購入や外注費など、工事の目的に限った使途に充てなければならない。工事の進捗が一定の段階に達した時点で追加の前払いを行う中間前払金の制度を、約款や契約条件で設ける自治体もある。

請求の手続と保証書の管理

前払金の請求は、受注者が保証事業会社の発行する保証証書を発注者に提出することから始まる。担当課は、保証書の金額や保証期間が契約の内容と一致しているかを確認したうえで、前払金の支払を決裁し、会計の担当へ支出命令を行う。保証期間は、工事の完成予定日を超える期間が設定されている必要があり、工期が延長された場合には、受注者が保証期間の延長の手続を行う。保証書の有効期間内に工事が完成しないときは、保証会社への連絡と期間の延長への対応が担当課の業務となる。前払金は工事の滞りない施工を支える一方、その原資は公金であり、保証によって確実に守られていることが前提となる。

出来高払いとの組合せと精算

工事代金の支払は、前払金と、工事の出来高に応じて支払う中間払い・竣工払いとを組み合わせて設計される。小規模な工事では、前払金を設けず竣工払いのみとする例もある。受注者から前払金の増額や早期の支払を求められた場合は、契約条件と法令の定める上限の範囲内で、対応の可否を判断する。前払金は、工事の完成後の精算において、最終の支払と相殺する形で処理されるため、完成払いの前に前払金を差し引く計算を行う手順を、担当課が把握しておく必要がある。

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