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ジチテン

条件付特定外来生物

読み:じょうけんつきとくていがいらいせいぶつ

意味

条件付特定外来生物とは、特定外来生物のうち、当分の間、飼育や無償の譲渡しなど一部の行為について外来生物法の規制を適用しないことを政令で定められた生物をいい、アカミミガメとアメリカザリガニが指定されている。

縁日で売られていたミドリガメを、ある日突然「飼育禁止」にしたら何が起きるか。法規制を知った飼い主による川や池への大量遺棄である。アカミミガメ(ミドリガメ)とアメリカザリガニは生態系への被害が深刻でありながら、家庭で大量に飼われているため、特定外来生物の一律規制をかけると遺棄を誘発するという逆効果が懸念されていた。2022年改正外来生物法(2023年6月施行)が設けた条件付特定外来生物は、このジレンマへの答えで、野外への放出・輸入・販売・購入は禁止しつつ、いま飼っている個体を申請なしで飼い続けることと無償で譲り渡すことは認める。住民窓口には「飼えなくなったので引き取ってほしい」という相談が寄せられるが、行政が引き取る制度はなく、終生飼養の原則と「放したら犯罪になる」ことの周知が自治体の役割になる。

「規制したら捨てられる」への制度設計

条件付特定外来生物の規制は、被害の拡大経路だけを狙って塞ぐ設計になっている。野外への放出、輸入、販売、販売目的の飼養、有償の譲渡しは特定外来生物と同様に禁止され、違反には罰則がある。一方、家庭等での飼育の継続、無償の譲渡し(飼えなくなった個体を知人に譲るなど)、捕まえたザリガニをその場で持ち帰って飼うことは規制されない。学校や保育園で飼育中の個体もそのまま飼い続けられる。「禁止」と「容認」の線引きが細かいため、住民・学校からの照会は具体的な行為ごとの判断になり、環境省のQ&Aと自治体の窓口案内が実務の頼みになる。指定は政令によるもので、被害状況と飼育実態を見ながら対象種が追加される余地が残されている。

防除と啓発の最前線としての自治体

アメリカザリガニは「池の水を抜く」型の防除イベントでも最も多く捕れる生物の一つで、在来の水草や水生昆虫を壊滅させる力を持つ。捕獲した個体をその場で放すことは規制されないが、別の水域へ移して放すことは放出にあたり違法となるため、防除活動の現場では参加者への説明が欠かせない。アカミミガメは寿命が数十年に及び、飼い主の高齢化とともに飼育継続が難しくなる事例が増える。行政も環境省も引取りは行わない建前のため、新たな飼い主探しの仲介や、安易な飼い始めを防ぐ普及啓発が、遺棄の予防策として自治体の動物・環境部局に期待される実務になっている。

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