特定外来生物とは、海外から我が国に導入された生物のうち、生態系や人の生命身体、農林水産業に被害を及ぼすおそれがあるものとして、外来生物法に基づき指定されたものをいう。その飼養、栽培、保管、運搬、輸入、放出などが原則として禁止される。
もともとその地域にいなかった生物が人によって持ち込まれると、天敵がいないために増え、在来の生物を脅かすことがある。特定外来生物は、こうした被害を及ぼすおそれのある外来生物を法律で指定し、その取扱いを規制する仕組みである。
外来生物法に基づき、生態系や人の生命身体、農林水産業に被害を及ぼすおそれのある外来生物が、特定外来生物として指定される。指定されると、その飼養や栽培、保管、運搬、輸入、野外への放出などが原則として禁止され、違反には罰則が科される。すでに野外に定着してしまったものについては、国や自治体が防除、すなわち捕獲や駆除を行う。特定外来生物による被害は、在来種を捕食したり、生息場所を奪ったりすることによる生態系への影響にとどまらず、農作物の食害や、人への危害にも及ぶ。いったん広がると根絶が極めて難しいため、早期の発見と防除、そして新たな侵入や拡散を防ぐことが重要となる。
規制の対象となる行為
特定外来生物の規制で特徴的なのは、その生物に関わる広範な行為が禁止される点である。指定された特定外来生物については、飼ったり育てたりする飼養や栽培、保管、運搬、輸入が原則として禁止される。とりわけ重要なのが、野外に放したり、植えたり、まいたりする放出の禁止である。これは、いったん野外に出てしまうと、その生物が繁殖して定着し、被害が広がることを防ぐためである。すでに飼っている人が許可なく逃がすことや、繁殖させて配ることも規制の対象となる。これらの規制は、被害を及ぼすおそれのある生物が、人の手によって新たに環境中に広がることを断つことをねらいとしている。一方で、規制の対象となる生物を正しく見分けることは容易でない場合もあり、在来の似た生物との区別や、規制の内容についての普及啓発が課題となる。
防除の難しさと未然防止
特定外来生物の対策で最も難しいのが、すでに野外に定着してしまったものの防除である。外来生物は、天敵が少ない環境で爆発的に増えることがあり、いったん広く定着すると、捕獲や駆除を続けてもなかなか数が減らず、根絶は極めて困難となる。防除には多大な労力と費用を要し、長期にわたる継続が必要となる。このことは、被害が深刻化する前の早期の発見と対応、そして、そもそも侵入や拡散を起こさせない未然の防止が、いかに重要であるかを示している。輸入の水際での規制や、飼っている生物を野外に放さないことの徹底、新たな定着が確認された際の迅速な初期防除が、被害を未然に防ぐ鍵となる。広がってからの対応には限界があるという認識のもとで、侵入を防ぎ、早期に芽を摘む取組みが重視されている。
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