自己啓発等休業とは、職員が大学等の課程の履修や国際貢献活動のため、任命権者の承認を得て無給で長期間休業できる制度である。職員の身分を保ったまま、自発的な能力開発や活動に専念する。
退職せずに大学院での学び直しや海外でのボランティアに長期で取り組めるようにし、人材の流出を防ぐための制度である。職員が学位取得や国際協力活動に専念しようとすると、従来は退職するしかなかった。自己啓発等休業は、地方公務員法に基づき条例で定められ、職員の身分を維持したまま、大学等課程の履修または国際貢献活動を理由に、数年単位の無給休業を認める。休業中は給与が支給されず期間も限られるが、復帰後にその経験を職務へ還元することが期待される。修学のための部分的な休業(修学部分休業)とは、休む規模と目的の点で区別される。
なぜ無給でも身分を保つ休業なのか
自己啓発等休業の本質は、「学びや活動のために職を離れたいが、退職はしたくない」という職員の希望に制度で応える点にある。退職して進学すれば、復帰の保証はなく組織は人材を失う。そこで、給与は支給しない(人件費は発生しない)が職員としての身分は維持する休業を設け、本人には復帰の選択肢を、組織には人材を呼び戻す可能性を残す。無給とするのは、専ら本人の自己実現のための休業であって職務遂行ではないためで、この点が職務命令による研修派遣とは性格を異にする。
対象となる活動と運用上の限界
対象は、大学その他の教育施設の課程の履修と、国際機関やNGO等を通じた国際貢献活動に限られ、いずれも任命権者の承認を要する。承認に当たっては、休業によって職務に支障が生じないか、活動内容が制度の趣旨に合うかが審査される。期間は数年の上限が設けられ、延長にも限度がある。無給で生活費の保障もないため、実際の取得には経済的な裏付けが必要となり、活用は限定的な団体も多い。修学部分休業が「働きながら短時間学ぶ」制度であるのに対し、自己啓発等休業は「一定期間職務を離れて専念する」制度という違いがある。
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