ジチテン

グリーンインフラ

読み:ぐりーんいんふら

別名:グリーンインフラ
意味

グリーンインフラとは、自然が持つ機能(雨水の吸収・蒸発散による気温上昇緩和・生物多様性の確保・CO₂吸収・洪水緩和等)を積極的に活用した社会資本整備の考え方のことで、コンクリート・鉄等の人工的な構造物(グレーインフラ)を代替・補完する。国土交通省が「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」を設立(令和元年)して普及を推進する。

従来の社会資本整備は、道路・護岸・堤防のようにコンクリートや鋼などの人工材料を用いる「グレーインフラ」が中心であった。グリーンインフラは、植生・土壌・湿地・森林といった自然生態系が本来持つ機能を活用して社会基盤を整える考え方であり、グレーインフラを代替・補完するものとして位置する。

具体的には、河道内の植生やヨシ原の保全・再生による水質浄化や洪水緩和、緑地・公園・街路樹の整備によるヒートアイランド対策やCO₂吸収、透水性舗装・緑化屋根による雨水の浸透・蒸発散の促進、湿地・ため池の保全・再生による生物多様性洪水調節機能の確保、道路沿いの自然植生を生かした斜面の安定など、多様な取り組みが含まれる。一つの施設が複数の機能を同時に果たす点に特徴がある。

都市部でのグリーンインフラ

都市部では、蒸発散や日射の遮蔽でヒートアイランドを緩和する緑地・公園の整備、建物表面の温度低下や断熱に効く緑化屋根・壁面緑化、雨水の地下浸透を促して内水氾濫を軽減する雨水浸透施設・透水性舗装、生育環境を確保しつつ歩行者の快適性を高める街路樹の管理などが代表的である。グリーンインフラは単一の機能にとどまらず、水や大気の浄化・生物多様性・快適な環境の提供・CO₂吸収といった複数の生態系サービスを同時に生み出すため、投じた費用に対して多面的な便益をもたらすとされる。

地方公共団体のグリーンインフラ施策

市区町村がグリーンインフラを施策に組み込む場面としては、緑の基本計画での整備目標の設定、立地適正化計画や防災指針といった都市計画での緑地・オープンスペースの確保、田んぼダムや草地・湿地による洪水調節を図る流域治水との連動、庁舎・学校・公園など公共施設への緑化や透水性舗装の導入、生け垣助成や屋上緑化補助による民有地の緑化誘導などがある。複数の部局にまたがる取り組みとなるため、庁内の連携と計画間の整合をどう確保するかが実装の課題となる。

自然共生サイトとの関係

生物多様性に関する昆明・モントリオール目標(2022年COP15採択。陸域・海域の30%を2030年までに保護・保全する「30by30」)の達成のため環境省が整備する「自然共生サイト」認定制度は、グリーンインフラを生物多様性保全の面から評価・認定するものである。企業・自治体が管理する里山・農地・水田・池・社寺林等の自然環境を「OECMs(Other Effective area-based Conservation Measures)」として認定することで、生物多様性の維持に貢献する民間・自治体の取り組みを可視化する。

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