不正受給とは、生活保護において、収入や資産を偽り、または虚偽の申告その他不正な手段によって保護を受け、または受けさせることをいう。
生活保護費は最低生活費から認定収入を差し引いて支給されるため、収入を隠したり少なく申告したりすれば、本来の支給額を超える保護費を受け取ることになる。これが不正受給であり、就労収入の無申告、年金や仕送りの隠匿、世帯員の偽りなどが典型となる。発覚した場合は生活保護法第78条により受給額を徴収でき、悪質な場合は刑事告発の対象にもなる。一方、本人に不正の意図がない申告漏れや認定誤りは第63条の費用返還で処理され、両者の区別が実務上の判断点となる。窓口では、収入申告の徹底と課税情報等との突合により未申告収入を把握し、第78条と第63条のどちらで処理するかの線引きが論点になる。
第78条徴収と第63条返還の区別
生活保護の費用回収には、性格の異なる二つの規定がある。生活保護法第78条は、不実の申請その他不正な手段により保護を受けた場合に、保護費を徴収する規定で、不正受給に対する制裁的な性格を持ち、悪質な場合は上乗せ徴収も可能とされる。一方、第63条は、資力があるにもかかわらず保護を受けた場合の費用返還で、不正の意図を問わず、急迫保護や認定誤りなど善意のケースを含む。
両者の区別の核心は、受給者に故意・不正の手段があったかどうかである。就労収入の無申告でも、制度を誤解した結果か、意図的な隠匿かで適用条文が分かれ、徴収額や刑事責任の有無も変わる。福祉事務所は課税調査や金融機関への照会で収入・資産を把握し、未申告が判明した際に事情を聴取して条文を選択する。不正受給の防止と、申告漏れを直ちに不正と決めつけない慎重さの両立が、ケースワークの公正さを支える論点となる。
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