不開示決定とは、情報公開請求や開示請求に対して、行政機関が請求された情報の全部を開示しないと決める処分をいう。請求された文書が法定の不開示情報に当たる場合や、文書が存在しない場合に行われる。
請求された情報を出せないと判断したとき、行政は黙って放置するのではなく「不開示決定」という処分の形で応答しなければならない——これにより請求者は理由を知り、争うことができる。不開示決定には、文書は存在するが不開示情報に当たるため出さない場合と、そもそも該当文書が存在しない(不存在)場合、さらに存否を答えること自体が不開示情報を明かす場合の存否応答拒否(グローマー拒否)がある。決定の通知には不開示とした理由を提示しなければならず、行政手続法・各条例に基づき審査請求や取消訴訟ができる旨の教示も付す。請求者が不服を申し立てると、実施機関は原則として情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、その答申を踏まえて裁決する。窓口では、出せない情報をどの不開示事由で整理し、開示できる部分を切り分けて部分開示にできないかを検討することが実務の中心になる。
不開示の三つの型——不開示情報・不存在・存否応答拒否
不開示決定は一様ではない。第一に、文書は存在するが、個人情報・法人の正当な利益・公共の安全・審議検討中の情報などの不開示情報に当たるため開示しない型である。第二に、請求された文書をそもそも保有していない「文書不存在」を理由とする型で、この場合も不開示決定として処分の形をとる。第三に、開示・不開示を答えること自体が不開示情報の存在を明らかにしてしまう場合に、存否を明らかにせずに請求を拒否する存否応答拒否(グローマー拒否)である。いずれの型でも、なぜ不開示としたかの理由提示と争訟手段の教示が必要で、特に不存在や存否応答拒否は請求者の疑念を招きやすいため、理由の書き方が争点になりやすい。
不服があるときの審査会諮問
不開示決定に不服がある請求者は審査請求ができる。この審査請求を受けた実施機関は、原則として情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。審査会は中立的な第三者機関として、実際に対象文書を見分(インカメラ審理)したうえで、不開示が妥当かを審理し答申する。実施機関は答申を尊重して裁決を行うのが通例で、答申で不開示が不当とされれば開示や部分開示に改められることが多い。この仕組みは、行政が自ら不開示としたものを行政内部の判断だけで確定させず、専門的・中立的な審査を経させることで、開示・不開示の判断の適正を担保している。
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)