地方裁量型認定こども園とは、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づく認定こども園の一類型で、認可を受けていない教育・保育施設が都道府県の定める基準に基づいて都道府県知事等の認定を受けたものである。
認可幼稚園でも認可保育所でもない施設を母体とする点が、地方裁量型認定こども園の最大の特徴である。幼稚園や保育所としての認可を受けていない地域の教育・保育施設が、教育機能と保育機能を併せ持ち、都道府県の条例で定める認定基準を満たして都道府県知事等の認定を受けることで成立する。認定こども園の四類型のうち、認可施設を母体とする幼保連携型・幼稚園型・保育所型と異なり、認可外施設を出発点とする唯一の類型である。自治体実務では、認可幼稚園・認可保育所が十分に存在しない地域や、地域の実情に応じた施設を活用したい場合の受け皿として、都道府県の裁量で基準を設けて認定できる点に独自の役割をもつ。施設数は四類型のなかで最も少なく、認定の権限と基準設定を都道府県が担うことが運営上の前提となる。
認可外施設を母体とする類型としての独自性
地方裁量型認定こども園は、認可幼稚園・認可保育所のいずれの認可も受けていない教育・保育施設を母体とする点で、ほかの三類型と性格を異にする。幼保連携型が単一の認可施設、幼稚園型が認可幼稚園、保育所型が認可保育所をそれぞれ基盤とするのに対し、本類型は認可の枠外にある施設が認定こども園としての機能を満たすことで認定を受ける。このため、認可制度の網がかかっていなかった地域の保育施設や、地域独自の教育・保育を行ってきた施設を、認定こども園の枠組みに取り込む役割を果たす。認可外を出発点とするからこそ、教育機能と保育機能の双方を満たすための基準適合が認定の鍵となり、認定を受けることで施設は認定こども園としての公的な位置づけと運営支援の対象に組み込まれる。
都道府県の基準設定と認定にみる地方の裁量
本類型の名称が示すとおり、認定の基準は都道府県が条例で定め、地域の実情に応じて設定する仕組みがとられる。国が全国一律の認可基準を示す認可幼稚園・認可保育所と異なり、認可外施設を母体とする地方裁量型では、都道府県が職員配置や施設設備の基準を地域の事情を踏まえて条例で具体化し、その基準に基づいて認定の可否を判断する。これにより、認可施設が乏しい地域でも就学前の教育・保育の総合的な提供体制を確保する余地が生まれる。実際の認定件数は四類型のなかで最も少なく、認可幼稚園や認可保育所からの移行が進んだ結果、母体となりうる認可外施設が限られていることが背景にある。都道府県は認定後の指導監督も担い、基準適合の継続的な確認によって保育の質を保つ役割を負う。
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