ジチテン

地方版総合戦略

読み:ちほうばんそうごうせんりゃく

意味

地方版総合戦略とは、まち・ひと・しごと創生法(平成26年法律第136号)第10条に基づき都道府県・市区町村が策定する計画で、人口動態の将来見通しを示す「地方人口ビジョン」とセットで作成される地域の総合的な地方創生戦略のことである。「人口減少克服・地方創生」を目指し、雇用・人の流れ・結婚・出産・子育て・まちづくりの各分野で数値目標とKPIを設定する。

人口減少と東京一極集中が進むなか、国の旗振りだけでは地域ごとの実情に合った対策は打てない。地方版総合戦略は、まち・ひと・しごと創生法(平成26年法律第136号)第10条に基づき都道府県・市区町村が策定する計画で、人口の将来見通しを示す「地方人口ビジョン」とセットで作り、雇用・人の流れ・結婚・出産・子育て・まちづくりの各分野で数値目標とKPIを設定する。

同法は、国が策定する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を地域版に落とし込む計画として、地方版総合戦略の策定を求めた(努力義務)。第1期(2015〜2019年度)・第2期(2020〜2024年度)と5年ごとに改定され、各市区町村は地域の課題(人口減少・少子化・雇用不足・産業空洞化等)に応じた施策を盛り込む。国の「地方創生推進交付金」(内閣府)は地方版総合戦略に掲げた事業を対象とする補助金で、自治体の地方創生施策の財源として活用される。

地方人口ビジョンとの関係

地方版総合戦略と一体的に策定される「地方人口ビジョン」は、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口を参考に、地域独自の目標人口・将来の人口構造を設定したものである。現状趨勢(何も施策を打たなかった場合の将来人口)と「目標人口(施策効果を加味した場合の将来人口)」を比較して示し、人口減少に歯止めをかけるための施策の方向性の根拠として活用する。ただし「過度に楽観的な人口目標の設定」への批判もあり、推計の根拠となる施策の実効性を丁寧に説明することが必要となる。

KPIによる進捗管理

地方版総合戦略はKPI(重要業績評価指標)を設定し、PDCAサイクルで進捗を管理する。施策ごとに数値目標(出生率・転入者数・新規雇用数等)を設定し、産学官民の代表が参加する「地方創生推進委員会(地域版)」等で定期的に評価する形が標準的である。国はEBPM(証拠に基づく政策立案)の考え方に立って、KPIの設定根拠・達成状況・評価の公表を促しており、交付金申請の際に計画の進捗評価が条件となる場合がある。形式的にKPIを並べるだけでは実効性を欠くため、施策とKPIの因果関係を示し、達成状況を住民に分かりやすく公表することが計画の信頼性を支える。

第3期への移行と「こども未来戦略」との連動

第2期(2020〜2024年度)が終了を迎えるなか、国の少子化対策強化(こども未来戦略・令和5年6月閣議決定)・デジタル田園都市国家構想との連動が第3期以降の地方版総合戦略に求められる。こどもの数・子育て支援・移住促進・デジタル基盤整備を組み合わせた地域づくりの目標設定が次期計画のキーワードとなっている。市区町村はこども計画(こども基本法第10条)との整合を図りながら、地方版総合戦略の更新を進める必要がある。

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