ジチテン

カーボンオフセット

読み:かーぼんおふせっと

別名:カーボンオフセット
意味

カーボンオフセットとは、企業・自治体・個人が自らの事業活動・生活から排出するCO₂等の温室効果ガスを可能な限り削減した後に、削減しきれない排出量に相当する他の場所での削減・吸収クレジット(炭素クレジット)を購入することで、排出の全部または一部を埋め合わせ(オフセット)する取り組みのことである。

脱炭素をめざしても、事業活動や暮らしから出る温室効果ガスをゼロにするのは難しく、どうしても削減しきれない排出が残る。カーボンオフセットは、まず自らの排出を可能な限り削減したうえで、なお残る排出量に相当する分を、他の場所での削減・吸収によるクレジット(炭素クレジット)を購入することで埋め合わせ(オフセット)する取り組みである。

日本での主な手段は三つある。一つは国(農林水産省・経済産業省・環境省)が共同運営するJ−クレジット制度、二つは森林や海洋生態系の吸収を活用した自主的なクレジット(Jブルークレジット等)、三つ目はパリ協定6条に基づく国際的な市場メカニズムを通じた削減クレジットの購入である。地方公共団体は、公用車や公共施設の電力使用に伴うCO₂排出をオフセットするためにクレジットを購入するほか、地域の農林業者が生み出したクレジットを購入し、地域内でのカーボンオフセットを実現する例もある。

J-クレジット制度と自治体

J-クレジット制度は省エネ設備の導入・再生可能エネルギーの利用・農業技術(水田の中干し延長等)・森林経営(間伐・適正な森林管理)によってCO₂排出を削減・吸収した量をクレジットとして認証し、売買できる仕組みである。地方公共団体は、自庁のCO₂排出をオフセットするためにJ-クレジットを購入する立場と、再生可能エネルギー設備の導入や森林管理等でクレジットを創出してJ-クレジット市場で売却する立場の双方になり得る。脱炭素先行地域の取り組みとJ-クレジットを組み合わせることで、地域内のエネルギーと炭素の循環を可視化する自治体も増えている。

ゼロカーボンシティ宣言との関係

地方公共団体がCO₂実質ゼロを宣言する「ゼロカーボンシティ」の実現には、省エネ・再生可能エネルギーだけでは削減しきれない「残余排出量」の扱いが課題となる。残余排出量への対処としてカーボンオフセット(クレジット購入)が活用されるが、「オフセットは削減の努力を省く言い訳にすべきでない」という批判(「カーボンオフセット依存」への懸念)もある。真のゼロカーボンをめざす立場からは、オフセットより先に自庁の排出削減(建物のZEB化・公用車のEV化・再エネ調達等)を優先することが重要とされる。

グリーンウォッシュへの注意

カーボンオフセットに際しては「グリーンウォッシュ」(実態のない過剰な環境訴求)に注意が必要である。信頼性の高いクレジット(追加性=クレジットがなければ実施されなかった削減であること、永続性=削減・吸収が長期にわたって確実に継続すること等の要件を満たすもの)を選び、第三者の検証を経た認証クレジットを使うことが、カーボンオフセットの信頼性を確保するうえで欠かせない。J-クレジットは国が運営する第三者認証制度として信頼性が高い。

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