諭旨免職とは、懲戒免職に相当する非違行為があった職員に対し、本人に退職を勧めて自発的に退職願を出させ、これを承認して退職させる扱いをいう。懲戒免職に準じた事実上の処分として運用される。
懲戒免職にできる事案で、退職金の支給など本人の事情に一定の配慮をしつつ職員を辞めさせる、運用上の措置である。懲戒免職は退職手当が支給されず再就職にも重い不利益が及ぶ最も厳しい処分だが、事案によっては、本人に退職を促して自ら辞めさせる「諭旨」の方法が取られることがある。形式は本人の願いによる依願退職だが、背景に非違行為があり、応じなければ懲戒免職に進むという点で通常の自己都合退職とは異なる。地方公務員法上の法定の懲戒処分ではなく、内規や運用に基づく扱いである点に注意を要する。
懲戒免職との違いと退職手当の扱い
諭旨免職と懲戒免職は、いずれも非違行為を理由に職を失わせる点で共通するが、法的性格が異なる。懲戒免職は地方公務員法に定める法定の懲戒処分で、原則として退職手当が支給されず、処分は職員の意思と無関係に行われる。これに対し諭旨免職は、本人に退職を勧告し、本人が退職願を提出してこれを承認するという「依願退職」の形をとる。このため退職手当の全部または一部が支給される余地があり、本人にとっての不利益が懲戒免職より軽くなる場合がある。組織側にとっても、争訟リスクを避けつつ穏便に処理できる利点がある。
法定処分でない運用ゆえの留意点
諭旨免職は地方公務員法が定める懲戒の種類(戒告・減給・停職・免職)には含まれず、法律上の処分名ではない。あくまで「懲戒免職に相当する事案で、本人に退職を促す」という運用上の措置であり、団体ごとの内規や慣行に基づく。このため、退職勧奨が事実上の強要にわたれば違法と評価される余地があり、本人の自由な意思に基づく退職であることの確保が要点となる。処分としての適正手続が法定されていない分、運用の透明性と本人への十分な説明が問われる。
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