遊休農地とは、現に耕作されておらず、かつ周辺の農地と比べて利用の程度が著しく劣っている農地であり、農業委員会が農地法に基づき判定するものをいう(農地法第32条)。
耕作されなくなった農地を放置すると、雑草や病害虫の温床となり、隣接する農地の営農にも悪影響を及ぼす。そこで農地法は、こうした農地を遊休農地として法的に位置づけ、農業委員会に解消の責務を課している。遊休農地は、耕作放棄地という一般的な呼び方と重なるが、農地法上は農業委員会が毎年の利用状況調査で判定する制度上の概念である点が異なる。遊休農地と判定された農地について、農業委員会は所有者の意向を確認し、自ら耕作するか、農地中間管理機構へ貸し付けるかなどを促す。所有者が応じず、所在も分からない場合には、知事の裁定を経て機構が利用権を取得する仕組みもある。農地の荒廃を食い止め、担い手へつなぐための入口となる概念である。
耕作放棄地との違い
遊休農地と耕作放棄地は、しばしば同じ意味で使われるが、由来する制度が異なる。耕作放棄地は、農林業センサスの統計上の概念で、「以前耕作していたが過去1年以上作付けせず、数年のうちに再び耕作する意思のない土地」を所有者の主観で申告するものである。これに対し遊休農地は、農地法に基づき農業委員会が現地調査によって客観的に判定する法律上の概念で、解消に向けた行政の手続が結びつく。耕作放棄地が「使われていない実態」をとらえる統計用語であるのに対し、遊休農地は「行政が解消に動く対象」を画する法的区分である。なお現在の農地利用状況調査では荒廃農地という区分も用いられ、再生利用が可能かどうかで区分される。
農業委員会による解消の手続
農業委員会は、毎年1回、管内の農地の利用状況を調査(利用状況調査)し、遊休農地を把握する。遊休農地と認めた農地については、所有者などに対し、今後の利用意向を尋ねる利用意向調査を行う。所有者が「自ら耕作する」「貸し付ける」などの意向を示せばその実現を促し、農地中間管理機構への貸付けを希望すれば機構につなぐ。意向どおりに利用されない場合や、所有者の所在が分からない場合には、農業委員会の手続を経て、最終的に都道府県知事の裁定により機構が利用権を取得し、担い手へ貸し付ける道がある。こうして遊休農地を再び耕作される農地へ戻し、担い手への集積につなげることが、制度の狙いである。
つながりのある用語
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