基金のなかには、年度間の財源を調整するために積んだり崩したりするものとは別に、最初に決めた額を元手として保ち続け、その元手を貸し付けたり運用したりして目的を果たすものがある。これが定額運用基金で、貸付金の原資として一定額を回し続ける制度資金などがその例である。
定額運用基金は、地方自治法第241条に基づく基金のうち、特定の目的のために定額の資金を運用する類型に当たる。財政調整基金や減債基金が積立てと取崩しを繰り返して残高が動くのに対し、定額運用基金は原資の額を維持することを前提に運用する点が異なる。財政担当や所管課は、原資が目減りしていないか、運用や貸付けが目的に沿っているかを管理する。原資の額を変える場合は条例の改正など所定の手続が必要になる。
定額の原資を維持して運用する仕組み
定額運用基金は、地方自治法第241条が定める基金のうち、特定の目的のために定額の資金を運用する基金として位置づけられる。条例で定めた一定の額を原資とし、その原資を維持しながら貸付けや運用に回し、目的に沿った効果を生み出す。原資を回しながら継続的に目的を果たす点が、この基金の核となる。たとえば中小企業向けや福祉向けの貸付制度では、原資を金融機関へ預託したり貸し付けたりして資金を循環させ、回収した資金を再び貸付けに充てる。原資の額を保つことが前提であるため、運用や貸付けで原資が損なわれないよう管理することが基金運営の中心になる。年度末には原資の額と運用の状況を確認し、原資に欠損が生じていないかを点検する。
財政調整基金など積立型との違い
同じ基金でも、財政調整基金や減債基金、公共施設整備基金などは、特定の年度に積み立て、必要な年度に取り崩して使う積立型であり、年度ごとに残高が増減する。これに対し定額運用基金は、原資の額そのものを動かさずに維持し、運用や貸付けによって目的を果たす点で性格が異なる。積立型が「いつ・いくら積んで・いつ崩すか」を問うのに対し、定額運用基金は「定めた額をどう回し、原資を保つか」を問う。原資の額を増減させる場合には、設置や額を定める条例の改正など所定の手続が必要であり、財政調整基金のような年度内の機動的な増減とは扱いが異なる。財政担当は、基金の類型ごとにこの違いを踏まえて管理する。
つながりのある用語
上位概念
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)