中小企業とは、中小企業基本法に定める資本金の額または従業員の数の基準に当てはまる、比較的規模の小さな企業をいう(中小企業基本法)。基準は業種ごとに定められ、製造業、卸売業、小売業、サービス業で異なる。
日本の企業の大多数を占め、雇用の多くを支えているのは中小企業である。中小企業は、規模の小さな企業を指す言葉だが、何をもって中小とするかは法律で業種ごとに定められており、その基準が各種の支援策の対象を画する。
中小企業基本法は、資本金の額と従業員の数によって中小企業の範囲を定めている。たとえば製造業では資本金三億円以下または従業員三百人以下、小売業では資本金五千万円以下または従業員五十人以下というように、業種ごとに基準が異なる。さらに、特に規模の小さな小規模企業者の区分も設けられている。中小企業は、地域の経済や雇用を支える存在である一方、大企業に比べて資金や人材、情報の面で不利を抱えやすい。このため、金融、税制、経営の相談など、さまざまな支援策が用意され、その対象を定める基準として、この法律上の中小企業の範囲が用いられる。
業種ごとに異なる定義
中小企業の定義で重要なのは、それが業種によって異なる点である。同じ規模の企業でも、製造業なら中小企業に当たるが、小売業なら当たらないということが起こりうる。これは、業種によって、事業に必要な資本の大きさや、雇用する人数の標準が違うためである。製造業のように設備に多額の資本を要する業種では基準が高く、小売業やサービス業のように比較的少ない資本で営める業種では基準が低く設定されている。資本金と従業員数のどちらかを満たせば中小企業とされるため、一方が基準を超えても他方が収まれば該当する。自社が中小企業に当たるかは、各種の支援策や税の特例を受けられるかに直結するため、業種ごとの基準を正しく当てはめることが実務の前提となる。
支援策の対象としての位置づけ
中小企業の定義が実務で意味を持つのは、それが国や自治体の支援策の対象を画するからである。中小企業向けには、低利の融資や信用保証、設備投資や賃上げを促す税の特例、経営相談や事業承継の支援など、多くの施策が用意されている。これらの施策は、法律上の中小企業の範囲に当たる企業を対象とするため、自社が基準を満たすかどうかが、支援を受けられるかの分かれ目となる。一方で、成長して基準を超えれば中小企業でなくなり、それまで受けられた支援の対象から外れる。このことが、あえて規模の拡大を抑える誘因になりかねないという指摘もある。中小企業の範囲をどう定めるかは、限られた支援をどこに向けるかという政策判断と結びついている。
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