ジチテン

事業承継

読み:じぎょうしょうけい

意味

事業承継とは、会社や個人事業の経営を、現在の経営者から後継者へ引き継ぐことをいう。経営の権限だけでなく、自社の株式や事業用の資産、取引先や従業員との関係、技術やノウハウといった事業の基盤を含めて引き継ぐ点に特徴がある。

中小企業の経営者の高齢化が進み、後継者が見つからないために、黒字でありながら廃業せざるをえない会社が増えている。事業承継は、こうした事態を避け、培われてきた事業と雇用を次の世代へつなぐための重要な経営課題である。

承継の形は、子などの親族へ引き継ぐ親族内承継、役員や従業員へ引き継ぐ親族外承継、そして社外の第三者へ会社や事業を譲るM&Aの大きく三つに分けられる。いずれの場合も、後継者の育成や選定に時間がかかるうえ、自社株式の集約に伴う相続税・贈与税の負担、経営者個人の保証の引継ぎ、取引先や金融機関の理解など、乗り越えるべき課題が多い。こうした負担を軽くするため、一定の要件のもとで贈与税・相続税の納税を猶予する事業承継税制が設けられ、国や自治体、商工団体による相談や支援の体制も整えられている。

後継者不在と黒字廃業

事業承継が地域の課題として重みを増しているのは、後継者がいないことを理由とする廃業が広がっているためである。とりわけ地方では、経営者の高齢化が進む一方で、子が家業を継がない、適当な後継者が見つからないといった事情から、利益の出ている黒字の会社までもが事業をたたむ黒字廃業が問題となっている。一つの会社の廃業は、そこで働く人の雇用だけでなく、取引先や地域に蓄えられた技術、商店街のにぎわいにも影響を及ぼす。このため事業承継は、個々の企業の問題にとどまらず、地域経済をいかに維持するかという観点からも支援が進められている。

親族外承継とM&Aの広がり

かつて事業承継といえば、子などへの親族内承継が中心だったが、後継者の不在が深刻になるなかで、その姿は変わりつつある。役員や従業員へ引き継ぐ親族外承継や、社外の第三者へ事業を譲るM&Aが、有力な選択肢として広がっている。とりわけ中小企業のM&Aは、廃業を避けて事業と雇用を残す手段として注目され、国は事業承継・引継ぎ支援センターを各地に設けて、譲りたい側と引き継ぎたい側のマッチングを後押ししている。誰に、どの形で引き継ぐのかを早めに考えておくことが、円滑な承継の鍵となる。

つながりのある用語

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