ジチテン

退職手当債

読み:たいしょくてあてさい

意味

退職手当債とは、職員の退職手当の財源が一時的に不足する場合に、その支払に充てるため発行できる地方債である。

退職手当は本来、その年度の歳入で賄うべき経常的な経費である。それを借金で賄う退職手当債が認められるのは、団塊世代の大量退職のように、特定の年度に退職者が集中して退職手当が一時的に急増し、通常の財源だけでは支払いきれない事態に対応するためである。

退職手当債は、定員適正化(職員数の削減)によって将来の人件費が減ることが見込まれる場合に、その削減見込み額の範囲内で発行が認められる。つまり、将来の人件費削減を裏付けに、退職手当のピークを平準化して借り入れる仕組みである。発行には総務省への協議・同意が必要で、財政状況や定員管理計画が審査される。

注意すべきは、退職手当債は本来現年度で賄うべき経費を将来へ繰り延べる借金であり、後年度の公債費を増やす点である。実質公債費比率を押し上げる要因にもなるため、安易に頼れば財政の健全性を損なう。あくまで退職者集中という一時的な要因への平準化措置であり、恒常的な財源不足の穴埋めに使うものではない。

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