市街地開発事業とは、一定の区域について、道路や公園などの公共施設の整備と宅地の利用増進を一体的に行う事業として都市計画に定めるものをいう(都市計画法)。土地区画整理事業や市街地再開発事業など、都市計画法に列挙された各種の事業がこれにあたる。
既成の市街地や新たに開発する区域を、個々の敷地ごとにばらばらに整備していては、道路や公園の整った住みよい街はできない。市街地開発事業は、一定の区域をまとめて、公共施設の整備と土地の有効利用を一体的に進める事業の総称である。
都市計画法は、市街地開発事業として、土地の区画形質を整える土地区画整理事業、老朽化した市街地を高度に利用し直す市街地再開発事業、新たな住宅地を計画的に開発する新住宅市街地開発事業など、複数の事業を列挙している。これらの事業は、それぞれ個別の法律に詳しい仕組みが定められており、市街地開発事業として都市計画に定められることで、施行すべき区域や事業の種類が明確になる。区域内では、事業の妨げとなる建築が制限される一方、事業を進めるために必要な手続が用意される。地域地区による土地利用の規制や都市施設の整備とならぶ、都市計画の三つの柱の一つである。
区画整理と再開発の違い
市街地開発事業の代表である土地区画整理事業と市街地再開発事業は、ともに区域を一体的に整備する点で共通するが、その手法は対照的である。土地区画整理事業は、区域内の宅地の区画や形を整え、道路や公園を生み出すために、各地権者の土地を少しずつ提供してもらう減歩という手法を用い、整理後の宅地を従前の権利に応じて配分する換地によって権利を移し替える。主に、平面的に土地の利用を改善する手法である。これに対し市街地再開発事業は、老朽化した木造建築が密集する区域などで、建物を取り壊して中高層の共同建築物に建て替え、従前の権利者の権利を新しい建物の床に置き換える権利変換という手法を用いる。土地を立体的に高度利用する手法だといえる。平面的な区画の整序を図るか、立体的な高度利用を図るかという違いが、両事業の使い分けの基準となる。
公共施設整備と土地利用増進の一体性
市街地開発事業に共通する特徴は、公共施設の整備と宅地の利用増進を一体的に行う点にある。道路や公園といった公共施設を個別に用地買収で整備しようとすると、用地の取得に多額の費用と長い時間を要し、虫食い状の整備に陥りやすい。市街地開発事業は、区域全体を対象として、地権者の協力のもとに、公共施設の用地を生み出しながら同時に宅地の利用価値を高める。たとえば土地区画整理事業では、減歩によって道路や公園の用地を確保しつつ、整形された使いやすい宅地を生み出し、その結果として宅地全体の価値が高まる。公共施設の整備という公共の利益と、宅地の利用増進という地権者の利益とを、一つの事業のなかで両立させる仕組みであるところに、市街地開発事業の意義がある。
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