ジチテン

社会的処方

読み:しゃかいてきしょほう

意味

社会的処方とは、健康に影響する社会的な要因を抱える人を、医療機関等が薬の処方でなく地域の活動や社会資源につなぐ仕組みをいう。

孤独や生活困窮を背景に不調を訴える人に、薬だけで応えられるのか。社会的処方は、孤立・貧困・住まいの不安定など健康の社会的決定要因を抱える人を、医療機関やかかりつけ医が薬の処方ではなく地域の居場所・サロン・ボランティア活動・福祉サービスなど社会資源につなぐ取組である。英国の取組として広まり、リンクワーカーと呼ばれる調整役が本人の状況を聞き取り、地域資源に橋渡しする。日本でも孤独・孤立対策や地域共生社会づくりの文脈で関心が高まり、自治体地域包括支援センター社会福祉協議会が担い手として模索している。医療と福祉・地域活動を結ぶ点で、重層的支援体制整備事業地域包括ケアシステムとも親和性がある。

健康の社会的決定要因への対応

人の健康は、生活習慣や医療だけでなく、所得・雇用・教育・住まい・人とのつながりといった社会的な要因に大きく左右される。孤立した高齢者がたびたび体調不良を訴える背景に孤独があるように、医療だけでは解決しない不調が存在する。社会的処方は、こうした要因を背景に不調を抱える人を、薬の処方でなく地域の社会資源につなぐ発想で、英国の取組として知られる。リンクワーカーと呼ばれる調整役が本人の話をじっくり聞き、運動・趣味の活動、ボランティア、サロン、福祉サービスなど本人に合った資源へ橋渡しし、つながりの回復によって健康を支える。

日本での位置付け

日本では、孤独・孤立対策や地域共生社会づくり、フレイル予防の文脈で社会的処方への関心が高まっている。明確な制度として確立された仕組みではなく、自治体・医師会・地域包括支援センター・社会福祉協議会などが地域の実情に応じてモデル的に試行している段階である。医療と福祉・地域活動を結ぶ点で、重層的支援体制整備事業の参加支援や地域包括ケアシステムと親和性が高い。担い手となるリンクワーカーの確保や、つなぎ先となる地域資源の充実、医療機関と福祉の連携体制づくりが定着の課題となる。

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