孤独・孤立対策とは、孤独・孤立対策の推進に関する法律(令和5年法律第45号、令和6年4月1日施行)に基づき、国・地方公共団体が人々の孤独感や社会的孤立の解消のために推進する施策の総称である。地方公共団体は孤独・孤立対策の推進に関する計画を策定し、関係機関・民間団体との連携のもとで施策を実施する努力義務を負う。
育児や介護を一人で抱える人、失業や高齢で人とのつながりを失った人の孤独や社会的孤立は、本人の健康や生活を脅かすが、本人からは声を上げにくく支援が届きにくい。孤独・孤立対策は、人々の孤独感や社会的孤立の解消のために国・自治体が進める施策であり、見えにくい孤立を社会全体で受け止めて支援につなげる点に意味がある(孤独・孤立対策推進法)。
孤独・孤立問題は2021年に担当大臣が置かれて政策課題として明確になり、令和5年に法制化された(令和6年4月施行)。対象は特定の世代・属性に限らず、育児や介護を一人で担う人、失業後に人間関係を失った人、外出が困難な高齢者、ひきこもり状態の人、社会的接触を失って孤立した人など多様である。自治体は推進計画の策定や相談窓口の整備、地域の居場所づくりに取り組む努力義務を負う。
法律の主な内容
孤独・孤立対策推進法(令和5年法律第45号)は、自らの意志で孤独でいられる環境の確保と望まない孤独・孤立の解消という基本理念、国・地方公共団体・事業者・民間団体の責務、内閣総理大臣を議長とする国の「孤独・孤立対策推進会議」の設置、地方公共団体の推進計画の策定(努力義務)、関係機関・民間団体との連携協定や官民連携プラットフォームの整備を定める。自治体は推進主体として、計画策定・相談窓口の整備・地域の居場所づくりに取り組む。
自治体が担う施策
市区町村の孤独・孤立対策は、各種相談窓口を連携させてワンストップ化する相談窓口の整備、子ども食堂・高齢者サロン・障害者の通いの場などの居場所の確保、自ら相談できない人へ支援者が積極的に接触するアウトリーチ型支援、財政支援や連携協定による民間団体・NPOへの支援が中心となる。重層的支援体制整備事業(社会福祉法に基づく)と連動させて実施する自治体も多い。孤独・孤立は本人が助けを求めにくいため、相談を待つだけでなく、地域のつながりのなかで気づき支援につなぐ仕組みづくりが施策の鍵となる。
孤独・孤立と社会的包摂
孤独・孤立対策は単なる「つながりの確保」にとどまらず、社会的孤立が引き起こす健康問題(孤立死・自殺・認知症の悪化)・経済的問題(生活困窮・就労困難)・社会問題(ひきこもりの長期化・家庭内暴力)の予防策にもなる。英国では2018年に「孤独担当大臣」が設置されたことが日本の政策形成に影響を与えた。孤独・孤立対策を「福祉の問題」として特定部局に閉じるのではなく、都市計画・住宅政策・教育・雇用等の横断的なまちづくり課題として庁内横断的に取り組む自治体も増えている。
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