意味
履行遅滞とは、受注者が契約で定めた期限までに義務の履行をしないことをいう。
工期や納期を過ぎても工事や物品の引渡しがないとき、発注者はどう対応するか。その前提となる状態が履行遅滞である。受注者の責めに帰すべき事由で履行が期限に遅れた場合、発注者は遅延損害金を請求でき、遅滞が続けば契約の解除に進みうる。一方、発注者の指示遅れ・用地未取得・不可抗力など受注者の責めによらない事由による遅れは履行遅滞にあたらず、工期延長で対応する。遅滞の有無は遅延損害金の発生や解除の可否を左右するため、遅れの原因が受注者の責めによるものかを切り分けることが実務の要点になる。
履行遅滞の効果
受注者の責めに帰すべき事由で履行が契約期限に遅れると、発注者は約款に基づき遅延損害金を請求できる。遅延損害金は遅延日数と契約金額に法定または約定の率を乗じて算定するのが一般的で、遅れが長引くほど受注者の負担は増す。遅滞が解消されず、または契約の目的を達せられないほど重大なときは、発注者は相当の期間を定めて催告したうえで契約を解除できる。逆に履行期限の到来前であれば、履行がなされていなくても遅滞は生じない。
受注者の責めによらない遅れとの区別
発注者の指示の遅れ、用地の未取得、関係機関協議の長期化、不可抗力(災害・悪天候)など受注者の責めによらない事由で施工・納品が遅れた場合は履行遅滞にあたらない。これらは工期延長や工事一時中止で対応し、遅延損害金は発生しない。したがって実務では、遅れの原因が受注者側にあるのか発注者側・不可抗力にあるのかを切り分け、書面の指示・協議記録で根拠を残すことが、遅延損害金の賦課や契約解除の可否をめぐる後の紛争を防ぐ鍵になる。
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