ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者が革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資を行う経費を、国が補助する制度である。正式名称はものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金で、中小企業庁の事業として中小企業団体中央会等が事務局を担う。
町工場が新しい加工機を導入して受注の幅を広げたい、あるいはサービス業が生産性を上げる設備を入れたい——こうした数百万円規模の設備投資は小規模事業者持続化補助金の上限では届かない。その一段大きい設備投資を支えるのがものづくり補助金である。
補助上限は枠によって750万円から数千万円規模に及び、補助率は2分の1または3分の2が基本である。申請には、付加価値額の年率3パーセント以上の向上といった成果目標を盛り込んだ事業計画が必須で、3〜5年の計画期間にわたり目標の達成を問われる。認定経営革新等支援機関の確認を受けた事業計画が前提となるため、中小企業診断士や金融機関の伴走が事実上欠かせない。採択後も計画期間中は事業化状況の報告義務があり、目標未達が続くと補助金の一部返還を求められることがある。自治体にとっては、地域の製造業の設備更新と生産性向上を国費で進められる施策である。
成果目標と返還リスクを伴う設計
ものづくり補助金は、単なる設備購入費の補填ではなく、付加価値額や給与支給総額の向上という数値目標の達成を条件づける成果連動型の色彩が強い。採択企業は計画期間中、毎年度の事業化状況を事務局へ報告し、付加価値額の年率平均3パーセント以上の増加などの目標に照らして進捗を問われる。一定の目標を達成できない場合、補助金額に応じた返還(収益納付や目標未達による返還)が生じうる点が、返還義務のない一般的な補助金との大きな違いである。自治体が地域企業に利用を勧める際は、この継続的な義務を事業者が負える体力があるかの見極めが要る。
認定支援機関の確認を前提とする手続
申請には認定経営革新等支援機関の確認書が必要で、事業計画の妥当性を第三者が裏づける仕組みになっている。確認を担うのは中小企業診断士、税理士、金融機関などで、計画の収支見通しや市場性を点検する。この前提により、計画の実現性が一定程度担保される一方、支援機関との調整に時間を要するため、公募開始から締切までの短い期間での準備は難しい。地域金融機関がこの確認役を兼ねることで、補助事業の資金調達と一体で支援される例も多い。
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