ジチテン

国土強靱化地域計画

読み:こくどきょうじんかちいきけいかく

別名:地域強靱化計画
意味

国土強靱化地域計画とは、国土強靱化基本法に基づき都道府県や市町村が地域の脆弱性評価を踏まえて策定する、大規模自然災害に強い地域づくりの指針となる計画をいう。

国の交付金を使って堤防やインフラの強靱化を進めたいとき、なぜまず計画を作る必要があるのか。国土強靱化地域計画は、国土強靱化基本法に基づき都道府県・市町村が地域の脆弱性を評価し、施設整備から人材育成・経済対策まで分野横断で「起きてはならない最悪の事態(リスクシナリオ)」を回避する施策をまとめた計画である。地域防災計画が災害発生時の応急・復旧を中心に時系列で対応を定めるのに対し、地域強靱化計画は平時からの予防・備えに重点を置き、その地域のあらゆる行政分野の計画の上位(アンブレラ)に位置づけられる点に特徴がある。重要なのは、国の関係府省庁の交付金・補助金の多くが、この計画に位置づけられた事業を交付の要件や優先採択の対象とすることであり、計画を持たない自治体は財政支援の面で不利になりうる。策定は努力義務だが、財源を確保するため大半の市町村が策定を進めている。

地域防災計画との役割分担

国土強靱化地域計画と地域防災計画は、いずれも自治体の防災に関わる計画だが、対象とする時間軸と性格が異なる。地域防災計画は災害対策基本法に基づき、災害が起きたときに誰が何をするかという応急対応・復旧の手順を中心に定める「対処」の計画である。これに対し国土強靱化地域計画は国土強靱化基本法に基づき、災害が起きる前から地域の弱点(脆弱性)をなくしていく「予防・備え」の計画であり、ハード整備だけでなく経済・産業・人材・コミュニティまで分野横断で施策を束ねる。地域強靱化計画は当該地域の各種計画の指針となる上位計画(アンブレラ計画)と位置づけられ、地域防災計画やインフラ長寿命化計画などはその下で整合が図られる関係にある。

策定プロセスと交付金との関係

計画づくりの中核は、地域で「起きてはならない最悪の事態(リスクシナリオ)」を設定し、現状の施策がそれをどこまで防げているかを点検する脆弱性評価である。評価で見つかった弱点に対し、施設整備・体制整備・訓練・啓発などの施策を分野横断で位置づけ、重点化と進捗管理(PDCA)を行う。実務上とりわけ重要なのが交付金との連動で、国は関係府省庁の交付金・補助金について、地域計画に基づき実施される取組を交付の要件としたり、優先的に採択したりする運用をとっている。このため、堤防や道路、避難施設などの整備事業を国費で進めようとする自治体にとって、地域計画への事業の位置づけは財源確保の前提条件となる。策定は法律上の努力義務にとどまるが、こうした財政誘導により都道府県では全団体、市町村でも大半が策定済みとなっている。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)